「沈黙は金」とは?意味や使い方をご紹介

「沈黙は金」という言葉を聞いたことがありますか?沈黙はカネ…ではなくゴールドです。しかしなぜ沈黙が金なのか、ちょっと気になりませんか?本記事では「沈黙は金、雄弁は銀」の意味や使い方、さらに出典や類語などを詳しく解説します。

目次

  1. 「沈黙は金」の意味
  2. 「沈黙は金」の使い方
  3. 「沈黙は金」の出典
  4. 「沈黙は金」の関連語
  5. なぜ「沈黙は金」なのか

「沈黙は金」の意味

みなさんは「沈黙は金」という言葉を聞いたことがありますか?正確には「沈黙は金、雄弁は銀(ちんもくはきん、ゆうべんはぎん)」または「雄弁は銀、沈黙は金」ということわざです。ちょっと「田村でも金、谷でも金」と響きが似ていますが、もちろん意味は全く違います。

「沈黙は金、雄弁は銀」とは「沈黙の方が雄弁よりも説得力がある」「沈黙は最上の分別である」という意味のことわざです。

「沈黙は金」の使い方

「沈黙は金、雄弁は銀」は沈黙が功を奏する場面で使用するべきことわざです。例えば「高倉健さんを見ていると、まさに沈黙は金、雄弁は銀だとよくわかる」「言いがかりも甚だしい反対意見に、彼は沈黙は金とばかりに押し黙った」といった使い方ができます。

「沈黙は金」の出典

「沈黙は金」の出典は『英雄崇拝論』などで知られるイギリスの歴史家、トーマス・カーライルの著作『衣装哲学』です。彼はそのなかで「Speech is silver, silence is golden(実際にはドイツ語)」と書かれた碑文を、スイスで目にしたことを記しています。

この言葉が有名になり「沈黙は金、雄弁は銀」ということわざが広まりました。沈黙に価値を見出すのは日本人的思想とも思えますが、実際は西洋由来のことわざなんですね。

「沈黙は金」の関連語

ここで「沈黙は金、雄弁は銀」に関連する言葉をいくつか紹介したいと思います。まずポピュラーな類語としては「言わぬが花」が挙げられるでしょう。「言わぬが花」は「露骨に口に出すよりも黙っている方が趣がある」という意味のことわざです。

例えばジョークの意図を解説するのは無粋ですよね。そのように「言わぬが花」には「明言は可能だがあえて口にするのは無粋である」という意味合いがあり、類語とはいえ「沈黙は金、雄弁は銀」とはニュアンスがかなり異なります。

またあまり知られていない故事成語に「維摩一黙、雷の如し(ゆいまいちもく、かみなりのごとし)」というものがあります。維摩居士(ゆいまこじ)は古代インドの商人で、仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタの弟子だった人物です。

彼は他の弟子たちから釈迦の教えについて意見を乞われた際、黙して語らず態度で示してみせました。この故事から「維摩一黙、雷の如し」は「文字や言葉よりも、沈黙が勝っている」という意味で使用されます。「言わぬが花」よりも「沈黙は金」に意味合いは近いのですが、この言葉の本質は「言わなくても伝わる」ところにあります。

なぜ「沈黙は金」なのか

ところで、やはり気になるのはなぜ“沈黙に金ほどの価値があるのか”というところです。そもそも日本人は多くを語ることを良しとしない傾向があり、もともと多弁な傾向のある西洋人の「沈黙は金」とは、少し事情が違ってくるかもしれません。

日本の美徳としての「沈黙」

吉田兼好は『徒然草』の第79段の中で「よくわきまえたる道には、必ず口重く、問わぬ限りは言わぬことこそいみじけれ」と綴っています。これは「造詣の深い事柄ほどあえて口に出してはならない。質問されぬ限りは答えないことが美徳である」という意味の言葉です。

また新渡戸稲造は「国語は国境に限る、沈黙は世界に通ず」としています。「言葉は言語を同一とする者にしか通じないが、沈黙は誰にでも通じる」ということで、やはり沈黙を美徳としています。

「沈黙」すべき時とは

前述のような背景から、日本には「あまり多弁なのはみっともない、信用ならない」という概念が少なからず存在しています。ただしやたらと押し黙ればいいというものでもないでしょう。トーマス・カーライルは「雄弁は銀」として、語ることの重要性も認めています。問題は、沈黙すべき時を知ることではないでしょうか。

例えば誰かから誤解を受けた時、それが些細なものであるならば説明すればよいことです。しかし相手が頑なで冷静さを欠いていたら、語れば語るほど信用を失ってしまうのはままあることです。そんな時は、一度黙して機会を待ち、相手に対話の用意が整ったところで口を開くのが有効です。

言葉にしなくても態度で意図を示せる時、言葉が問題を解決できない時、口が災いを招きそうな時。そんな時こそ、沈黙が金の価値を有すると言えるでしょう。


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