「承知」の意味とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「承知」はビジネス用語になり、メールや文書などでも用いられます。仕事の説明や客先から注文や依頼があった時に「承知しました」と応じることもあるでしょう。ただし、気をつけないと思わぬ失敗をしてしまうことがあります。意味と使い方について、例文と一緒に紹介します。

目次

  1. 「承知」の意味とは?
  2. 「承知」の使い方と例文
  3. 「ご承知ください」は相手に失礼?
  4. 承知の使い方のまとめ

「承知」の意味とは?

「承知」は、(情報に接した時に)詳しい内容を知っているということ、相手が伝えてきたことについて、そのことをして良いと認めることを示しています。

「承知」には、「伺う」とか「引き受ける」という意味の謙譲語「承る」(読み:うけたまわる)という言葉が入っていることから、相手を敬う意味合いが込められていると誤解される場合がありいます。しかし、ただ単に、相手から伝えられた内容を知っている、物事を認めるという意味があるのに過ぎません。

仕事で上司や取引先に使うのであれば、尊敬の意味や謙譲の意味で使う尊敬表現の言葉を付ける必要があるでしょう。ただし、文法から見て正しい敬語表現であっても、意味合いで相手に失礼になることがありますので、注意する必要があります。

「承知の助」とはどういうこと?

「承知」という言葉から、「がってん承知の助」という語句を連想する方もいるでしょう。時代劇ドラマなどで、威勢の良い若い町人や岡っ引きが、同心や身分の高い武士に頼まれごとをされた後に、「おっと、がってん承知の助だ!」と答える場面が見られます。東京近郊にお住まいの方は寿司店のことを思い浮かべる方もいるかもしれません。

「合点承知之助」(がってんしょうちのすけ)と記載されることもあり、昔の人の氏名に感じられることもあります。言葉遊びの一種で、気っぷの良い江戸っ子が何か頼まれごとをされた際に、「分かったよ」とか「心得ているから、安心して任せて」という意味で人の名前を模して「合点承知の助」と答えたと伝えられています。

江戸時代から若い男性の町人を中心に使われてきた、非常に由緒のある言葉です。江戸っ子の勢いのある様子、心の優しさが伝わります。

「承知」の使い方と例文

現在では主に仕事で使われているので、ビジネス用語として使い方と例文を紹介します。使う際には適切な丁寧語や敬語を付けましょう。

1.詳しい内容を知っている

  • 部長もご承知の通り、○○デパートが撤退するのは時間の問題でしょう。

2.その内容をしても良いと認める
  • あちら様に無理なお願いをするのは、承知いたしかねます。
  • (仕事の指示を出された場合に)承知いたしました。先日の件についてですね。

「承知しました」でも丁寧語が使われているので、使用の仕方には問題ありません。しかし、「承知いたしました」を使った方が謙譲表現が含まれているので、目上の方や社外の方に対して返答するのに適しています。

「ご承知ください」は相手に失礼?

仕事の場で「ご承知ください」や「ご承知おきください」という言葉遣いをする人も見られます。接頭語の「ご」を名詞の上に付けて「ください」という語句を付けると、謙譲表現になります。「~してくださる」という意味になりますので、言葉の使い方を間違えているわけではありません。

しかし、上司や取引先の方に使うと「しっかりと理解するようにしていただきたいです。」とか、「認めるようにしてください。」と相手に念を押すようなニュアンスが含まれるため、失礼になることがあります。気分を害する方もいるので、使わない方がいいでしょう。

他の言葉に言い換えるのであれば、「ご理解いただけますよう、お願いいたします。」「恐れ入りますが、こちらの事情をお含みいただけるとありがたいです。」と使うのがおすすめです。「含む」という言葉は、「心得る」とか「しっかりと理解をする」という意味合いがあります。

承知の使い方のまとめ

「承知」には、内容を詳しく理解している、認めるという意味がありますが、語句自体には相手を敬う意味が入っていません。目上の方に使う時には、敬意が含まれていないことを理解して、適切な敬語を選ぶ必要があるでしょう。

場合によっては、他の類語を使って言い換えをしないと失礼に当たりますので、注意して使い分けをするといいでしょう。

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