「礼節」と「礼儀」の違いとは?それぞれの意味や使い分けをご紹介

「礼儀礼節」といえば、力士の日馬富士が引退会見で何度も繰り返し使っていましたが、そもそも「礼節」と「礼儀」とはなんでしょうか?この二つの言葉の違いはご存知でしょうか。「礼節」と「礼儀」について、それぞれの意味や使い分けをご紹介します。

目次

  1. 「礼節」:意味
  2. 「礼儀」:意味
  3. 「礼節」と「礼儀」の違い
  4. 関連語

「礼節」:意味

礼節とは、言葉の通り「礼儀と節度」のことを指します。きちんとした礼儀と節度のある態度のことを意味し、他人との関係を保つために必要とされる行動・作法のことを表す言葉です。

礼儀を行う心のことを礼節といい、表面的な付け焼き刃の礼儀ではなく、心が伴った言動といった道徳的な意味合いがあります。

【使い方】

  • 礼節と思いやりの心を大切にしてください。
  • 最近、彼の礼節を欠いた行動が目に余る。

衣食足りて礼節を知る

「衣食足りて礼節を知る」は、中国の書物の「菅子(かんし)」に由来している故事成語です。

「衣服や食事などの生きるために必要なことが満たされてこそ、礼節をわきまえた言動をすることができる。」という意味があります。つまりは、生きることに必死なときは、礼節をわきまえる余裕など生まれないということです。

【使い方】

  • まずはしっかりと食べて、着替えて、生活を整えなさい。「衣食足りて礼節を知る」というじゃないか。
  • 彼は「衣食足りて礼節を知る」の典型的なパターンである。
  • 「衣食足りて礼節を知る」というように、従業員の幸せを満たすことで、会社も成長していくのではないか。

「礼儀」:意味

「礼儀」とは「人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式」のことです。人間関係をスムーズに行うために、人として守るべき基本的なマナーや常識的な行動の事をいいます。

例えば、挨拶がきちんとできる、丁寧な言葉遣いなどがあげられます。日本では特に重んじられていますよね。

【使い方】

  • 彼はとても礼儀正しい。
  • 最近の若い人は、礼儀を知らなさすぎる。

親しき仲にも礼儀あり

「親しき仲にも礼儀あり」とは「どんなに仲が良くても、度が過ぎて失礼なことをするようなことがあってはいけない」ということわざです。

家族や幼馴染など、どんなに親しくても遠慮をなくし、自由気ままに振舞うことはわきまえるべきであるという教訓を説いたものです。

【使い方】

  • また、ドタキャンされた。親しき仲にも礼儀ありだよね。
  • 勝手に私宛の手紙を開けないでよ。親しき仲にも礼儀ありというでしょう。
  • 親しき仲にも礼儀ありという言葉の通り、どんな人に対しても礼儀は大切にしないといけない。

「礼節」と「礼儀」の違い

上記のように「礼儀」とは基本的なマナーや作法のことをさし、「礼節」は心を伴って行う礼儀のことをさします。

礼儀は表面的に取り繕ったものでも、礼儀といえます。一方で礼節は自分の心に節度を持ち、相手への敬意や思いやりをもった上で行う行動のことを表します。

礼儀作法などは学べば身につくものですが、礼節は自分の中にある気持ちということになります。簡単にいえば、礼儀は形、礼節は心といえそうです。

関連語

作法

「作法(さほう)」とは「人との関わりの中で、正しいと決められている立ち振る舞いの仕方」のことを意味します。例えば、お茶の際の菓子の食べ方など、振る舞いの決まり事などをさします。

【使い方】

  • 日本に留学中ですが、今日は大学で日本の食事作法を勉強しました。
  • お茶会に参加することになったので、最低限の作法を身につけていこうと考えている。

行儀

「行儀」とは「人との関わりの中で、好ましいとされている立ち振る舞いのこと」です。カタカナ語のマナーに当たる言葉です。立ち振る舞いを表す言葉で、「行儀が良い」「行儀が悪い」などという形で使われます。

【使い方】

  • ここにいる子供達は、お行儀が良くて素晴らしいです。
  • 電車の中でお菓子を食べるのは、行儀が悪い。


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