「目から鱗」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

「目から鱗」という言葉、日常生活でよく使われていますよね。意味は何となく分かる方が多いと思いますが、由来が何かご存じですか?どうして人の目にはないはずの「鱗」が落ちるのでしょうか?ここでは「目から鱗」の意味や使い方を由来を含めてご紹介します。

目次

  1. 「目から鱗」の読み方と表記
  2. 「目から鱗」が…?
  3. 「目から鱗」の意味と使い方
  4. 「目から鱗」の由来
  5. まとめ

「目から鱗」の読み方と表記

まず「鱗」という漢字はどう読むでしょうか。魚偏ですが魚の名前ではなく、「鱗(うろこ)」と読みます。「目から鱗(めからうろこ)」です。「鱗」とは魚や両生類、鳥類の脚などを覆っている小片ですね。

この「鱗」という漢字は常用漢字ではありません。画数も多いし「日常的によく書く漢字」だという方は少ないのではないでしょうか。そこで「目からうろこ」、「目からウロコ」と、ひらがなやカタカナで表記されることも多いようです。

「目から鱗」が…?

「目から鱗」という言葉は、しばしば後ろに「ある動詞」を伴って使われます。みなさんは次のどちらの動詞を使われるでしょうか。

・目から鱗が落ちる
・目から鱗が取れる

以前行われた調査によると、「目から鱗が取れる」と答えた人が1割弱いたそうですが、正しい動詞は「落ちる」。「目から鱗が落ちる」と言う形で使います。「目から鱗」はその省略形です。

「目から鱗」の意味と使い方

「目から鱗」の使い方

では「目から鱗」「目から鱗が落ちる」は実際にはどのように使われているでしょうか。

・教授の言葉に目から鱗が落ちる思いがした。
・そんな考え方があるなんて、目から鱗だった。
・先輩にアドバイスをもらい、目から鱗が落ちたようだ。
・その本には目から鱗の情報が満載だった。

「言われてハッとした」「なるほどねぇ」「へぇ、そうだったのか。知らなかった」というニュアンスで使っている方が多いのではないでしょうか。

「目から鱗」の意味

辞書を見ると「あることがきっかけになり、今までに分からなかったことの真相や本質が突然分かるようになること」と書かれています。

「目から鱗」の由来

それにしても改めて考えてみると、「目」から「鱗」が落ちるなんて、随分奇妙な光景だと思いませんか?どうして人間にはないはずの「鱗」が落ちるのでしょうか。そこで、「目から鱗」の由来をみていきましょう。

「目から鱗」はどこから?

「目から鱗」は「新約聖書」の「使徒行伝」に書かれている話に由来するとされています。
 

かつてサウロという男がいました。サウロはキリスト教徒を迫害したことにより天罰が下り、ある日突然目が見えなくなってしまいました。しかし、イエスの弟子がサウロのもとに遣わされると、サウロの目から鱗のようなものが落ちて、再び目が見えるようになりました。サウロはこれを機に回心し、熱心なキリスト教徒になりました。

この話がもとになり、「目から鱗」という表現が使われるようになりました。「目から鱗」という表現は、日本で古くから民衆の間に伝わっていたものではなく、「キリスト教」「新約聖書」が日本に来てから使われるようになったんですね。

「目から鱗」の英語表現

この「目から鱗が落ちる」は、英語では【The scales fall from one's eyes.】と表現されます。scale(単数形)は【鱗】という意味ですが、scales(複数形)は【目をかすませるもの】という意味を持つため、【目から、目をかすませるものが落ちる】つまり【誤りを悟る】と解釈することができます。

「目から鱗」が落ちる生き物

人の目から「鱗」が落ちることはありませんが、蛇は脱皮するとき「目から鱗」が落ちるのだそうです。そのことから、「新約聖書」におけるサウロは蛇(邪悪の化身)と位置づけられ「目から鱗」が落ちることになったのだろう、と説明されていることわざ辞典もあります。

いずれにしても、「目から鱗」は本来「何かをきっかけに、はっと迷いから覚め、誤りを悟る」という意味でしたが、後に「何かをきっかけに、急に事態がよく見えて理解できるようになる」という意味として広く使われるようになったのです。

まとめ

ここでは「目から鱗」の意味や使い方を由来を含めて紹介しましたが、いかがでしたか?「新約聖書」を由来とするものは他にも「豚に真珠」などがあげられます。言葉の由来を調べてみると、さらに他にも「目から鱗が落ちる」ような出合いがあるかもしれません。

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