「公務員」とは?意味や使い方をご紹介

安定した雇用で、景気の悪いときなどにはとくに人気の高い「公務員」。市役所などで、さまざまな手続きをするときにお世話になることもありますが、実際はどんな人たちのことを呼ぶのでしょうか。この記事では、「公務員」について解説します。

目次

  1. 「公務員」とは?
  2. 「公務員」使い方
  3. 公務員の種類
  4. 公務員の人数
  5. 大日本帝国憲法の下での公務員

「公務員」とは?

公務員とは、国や地方公共団体などの公務を担当し、執行する人たちのことです。第二次世界大戦後に広く使われるようになった言葉です。

広義での公務員

広く公務員とする場合は、日本国憲法第15条に基づき、国や地方公共団体のすべての公務に携わるものを指します。

この場合の公務員は、任命、嘱託、選挙など、どのような方法によって選ばれたかは問いません。また、立法、行政、司法など、どの部分の公務に携わるかも問いません。

そのため、この意味では国会議員、地方議会の議員や、公共法人などの役職員なども公務員に含まれます。

狭義での公務員

広義での公務員に対して、一般的に公務員とするときには、公選によって選ばれた国会議員、地方議会の議員を除くのが普通です。さらに狭い意味では、行政に携わる職員のみを公務員と呼ぶ場合もあります。

「公務員」使い方

  • 東京の大学に進学したいとこは、卒業後は地元に戻ってきて公務員になった。
  • 皇后の雅子様は、ご結婚前は外務省で働いていた公務員で、公務員官舎に住んでいたこともあるそうだ。

公務員の種類

公務員は、分類の基準によって、種類を分けることができます。

特別職と一般職

種別による分類では、特別職と一般職に分けられます。

【特別職】
広義での公務員のうち、特別な職務を担うため、一般の公務員とは区別されている公務員のことを特別職といいます。特別職の公務員には、次のようなものがあります。

  • 内閣総理大臣
  • 国務大臣
  • 国会議員
  • 裁判官
  • 裁判所の職員
  • 自衛官
  • 知事や市町村長など地方公共団体の首長
  • 地方議会の議員
など

【一般職】
特別職を除いた公務員のことを、一般職と呼びます。一般職の公務員には、国家公務員法や地方公務員法が適用されますが、特別職の公務員には原則としてそれらの法律は適用されません。

国家公務員と地方公務員

勤務する機関による分類では、国家公務員と地方公務員に分けられます。

【国家公務員】
日本国の各機関や、省庁から独立した独立行政法人で働く公務員のことを、国家公務員と言います。国家公務員(一般職)の試験、任免、給与などは、国家公務員法によって定められています。

【地方公務員】
地方公共団体や、特定地方独立行政法人で働く公務員のことを地方公務員と言います。地方公務員(一般職)の試験、任免、給与などは、地方公務員法によって定められています。

補足:一般職の名称について

特別職を除いた公務員のことを指す一般職とは別に、平成25年度から行われている一般職試験によって採用された国家公務員のことを、通称で一般職と呼ぶことがあります。

この名称は、総合職試験によって採用された総合職(いわゆるキャリア官僚)に対して使われる名称です。一般職試験は大卒・高卒・社会人を対象としたもので、総合職試験は院卒者と大卒者を対象としたものです。

公務員の人数

人事院の発表によれば、平成29年度の国家公務員はおよそ58.4万人、地方公務員はおよそ273.9万人です。

国家公務員数は、平成12年度のおよそ113万人に比べて55万人ほど減少していて、この原因には、郵政民営化、国立大学の法人化、定員削減などが考えられるようです。

日本の場合、公務員の人数が労働人口に対して占める割合は、他の先進諸国に比べて低いとされています。

大日本帝国憲法の下での公務員

明治22年に公布、施行された大日本帝国憲法(だいにっぽんていこくけんぽう)の下では、現在の公務員に当たる人たちは官公吏(かんこうり)と呼ばれていました。官公吏は、官吏(かんり)と、公吏(こうり)を合わせた言葉です。

官吏は、現在は一般的には役人のことを指しますが、大日本帝国憲法では国家からとくに選ばれて天皇の大権で任命された、公務を担当し、執行する人たちのことを指します。公吏は、現在でいうところの地方公共団体の職員のことです。

現在の公務員は、国民主権を唱える日本国憲法の下、国民の公僕(こうぼく)、全体の奉仕者とされます。ですが、大日本帝国憲法の下では、官吏は天皇の官吏とされます。この点が現在の公務員との大きな違いです。


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