「まことしやか」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

「まことしやか」という言葉をご存知の方も多いと思いますが、意味を誤解している方もいるのではないでしょうか。「まこと」がつくので、一見本当のことのように思われるかもしれませんが、実際はそうではないのです。ここでは「まことしやか」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「まことしやか」の意味
  2. 「まことしやか」の由来
  3. 「まことしやか」の使い方
  4. 「まことしやか」の関連語

「まことしやか」の意味

「まことしやか」とは、「真実ではないのに、真実をよそおうさま」「いかにも本当らしいさま」という意味の言葉です。よって、一見本当のことのように見えるが、実際は「真実でない」という意味になります。

したがって、「まことしやかな噂」「まことしやかな情報」というのは、「嘘」ということになります。噂や情報が嘘であると知っていることを前提として使われる言葉です。

漢字では、辞書によって「真しやか」「実しやか」「誠しやか」と複数あてられているようです。どれも間違いではなく、意味は皆同じです。

「まことしやか」の由来

「まことしやか」は「まこと」+「し」+「やか」から成り立っている言葉です。「まこと」は真実という意味を表わし、「し」はその言葉を強める役割があります。「まことし」は真実であるという形容詞です。

「やか」には「いかにもそのような状態に見える」や「いかにもそのような感じがする」という意味があります。「やか」は「はなやか」「さわやか」「にこやか」など、他にも多くの言葉に用いられています。このように、状態を表わす語について、前につく言葉を形容動詞化する接尾語です。

「まことし」=真実である+「やか」=いかにもそのような状態に見える、ということから「まことしやか」は「いかにも真実のような状態に見える」となります。

「まことしやか」の使い方

「まことしやかな○○」や「まことしやかに○○」というように、後ろに何かを付けて、本当ではないのに本当のことのように言う時に使います。

【例文】

  • 父は若いころモテた話をまことしやかに自慢する。
  • 子供のまことしやかな話をすっかり信じてしまった。
  • 彼は責任から逃れる為、まことしやかな作り話をした。
  • ネットで拡散されているまことしやかな情報に注意する。

「まことしやか」の関連語

「まことしやか」の他にも「真実でない」という意味を持つ言葉が多くあります。

出鱈目

出鱈目とは、いい加減なことや筋の通らないことを言ったり、行ったりすることを意味します。計画性がなく行き当たりばったりに事を進めたり、道理にはずれていたりするようなことです。

また、根拠がないことという意味もあり、その場合は思い付きで適当な発言をしたり、その場しのぎの不確かな言動をとることを言います。

幅広い意味合いを持つ言葉ですが、「まことしやか」と最も類似している使い方に「実際以上に誇張して話すこと」が挙げられます。

法螺

「法螺(ほら)を吹く」のように「法螺」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。嘘をつく、あるいは口からでまかせを言うという意味があります。

元々はお釈迦様の説法を指した言葉で、戦場において法螺貝で出陣の合図をし、軍勢を奮い立たせたのを仏の説法のたとえとしたようです。

法螺もまた、「まことしやか」と最も似た使い方に「大袈裟なことを言う」という意味合いを持っています。

偽善

「偽善者」や「偽善的」は、「善を偽る」という字で表わされるように、本当はそうでないのに、うわべを飾って本質より正しく立派であるように見せかけることやそのような行為を意味します。自分の好感度を上げる為や得をする為など、利己的・自己中心的な心意が含まれます。

仮に純粋な気持ちで善い行いをしているつもりでも、受け取る側が迷惑に感じたり、その行為に実質的な価値がない場合、偽善と捉えられてしまうこともあります。

虚構

虚構とは、事実でないことを事実らしく作り上げることを意味します。意識的に作られた空間の概念とも言えるでしょう。

英語ではfiction(フィクション)と言います。よく馴染みのある言葉ではないでしょうか。文芸作品などで、人物や出来事などを作者の想像力によって現実であるかのように組み立てることを言います。

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