「克己心」とは?意味や使い方をご紹介

「克己心」という言葉、みなさんはご存知ですか。武道の大会の大弾幕や、選手の持ち物や衣服の刺繍などで文字を見たことはあるけれど、読み方や意味は知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、そんな「克己心」の意味や使い方を詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「克己心」の読み方
  2. 「克己心」の意味
  3. 「克己復礼」とは
  4. 「克」と「勝」
  5. 「克己心」の使い方
  6. 「克己心」とスポーツ
  7. 「克己心」のまとめ

「克己心」の読み方

「こっきしん」と読みます。人名で「克己」と書いて、「かつみ」と呼ぶことがありますが、人名以外では「克己」は「こっき」と読みます。

「克己心」の意味

「克己心」とは、自分自身に打ち克(か)つ心、自分の欲望・衝動・邪念をおさえる精神力のことを意味します。「克己」と言う、自分の欲望をおさえることを意味する名詞に、「心」がついて、自分の欲望をおさえる心という意味で「克己心」が使われるようになりました。

この「克己」という言葉は、中国の思想家・孔子(こうし)の『論語(ろんご)』に由来がある、「克己復礼(こっきふくれい)」という言葉が語源です。

「克己復礼」とは

『論語』の中の、孔子と、その弟子の顔淵(がんえん)との次の会話が「克己復礼」の由来です。
 

“顔淵問仁。子曰克己復礼為仁。”
“顔淵、仁を問う。子曰く、己に克ち礼に復りて仁を為す。”

これは、顔淵が「仁」とは何かという質問しているのに対して、孔子が「仁」とは「己(おのれ)の欲望に打ち克って、礼に復することだ。」と答えています。

つまり、孔子は良好な人間関係のために必要なことは、自分自身の欲望をおさえ身勝手な行動を慎み、社会の秩序や良心に従って行動することだと言っているのです。そして、この「克己復礼」から「克己」という言葉が独立して使われるようになりました。

「克」と「勝」

一般的に「克」と「勝」では、「勝」を使うことの方が多いと思います。この「勝」は、争ったり比較する対象が外にあり、その相手から勝利したり優れた結果がでた時に使います。

一方の「克」は、自分自身の弱い心や欲望を、努力や精神力で抑えたり、乗り越えることができた時に使います。戦う相手が自分の内側なら「克」、自分の外側なら「勝」と覚えておきましょう。

「克己心」の使い方

「克己心」の使い方を、例文で見てみましょう。

「克己心」の例文

1.この道場の目的は、強い選手を育てることではなく、「克己心」を育てることだ。

2.最近の親は、子どもの「克己心」を養うという観点が欠けているように感じる。

「克己心を養う」「克己心を育てる」「克己心を持つ」「克己心を培う」と、いった表現で使われることがあります。

「克己心」とスポーツ

「克己心」という言葉は、日常生活では使うことがほとんどない言葉だと思います。理由は、「克己心」の類語に「自制心」という言葉があり、たいていの場合は馴染みのある「自制心」の方を使うことで事が足りるからです。

しかし、武道をはじめとするスポーツの世界では、「自制心」よりも「克己心」の方が好んで使われています。それは、「克」という文字が勝負ごとに「勝」と同じ読みなのでげんを担いでいるからと言う理由と、「克己」「己に克つ」という事が、ただ自分の欲望や行動を抑える「自制」よりも一歩踏み込んだ意味を持っているからです。

例えば、あなたが柔道選手だとします。格上の相手と試合をする時、相手や試合に対して「怖い」「逃げ出したい」「負けたくない」と言った気持になると思います。そういった自分の弱い気持ちに打ち克つ心が「克己心」ですが、この時の「克己心」は、弱い心を抑えると言うより、自分を奮い立たせて弱い心を乗り越えると言った方がしっくりきます。

「克己心」は、単に自分の欲望や邪念を抑え、律するという意味にとどまらず、努力をすること、自分を奮い立たせること等の、人間形成に必要な要素が含まれた言葉なのです。なので、「克己心」は道場に教示として掲げられたり、スポーツ選手の座右の銘として選ばれたりと、教育の現場やスポーツの世界で自己成長を促す言葉として使われています。

「克己心」のまとめ

いかがでしたでしょうか。「克己心」の意味や使い方を、おわかりいただけましたでしょうか。「克己心」という言葉はあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、心に留めておけば、色々な場面であなたを支えてくれる、強い味方になる言葉かもしれません。

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