「転じて」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「転じて」という言葉を、雑誌やネットの記事などで目にする機会も多いことでょう。しかし言葉の意味については、何となく理解しているだけなのではないでしょうか。そこで「転じて」の意味や使い方について紹介していきたいと思います。

目次

  1. 「転じて」とは
  2. 「転ずる」「転じる」とは
  3. 「転じて」その他の使われ方
  4. 「転じて」の使い方
  5. 「災い転じて福となす」とは

「転じて」とは

「転じて」は「てんじて」と読みます。本来「転じて」の意味は「視点・話題などを変えて。ところで。」であり、接続詞のように使います。

確かに辞書において「転じて」を調べると、上記の意味しか紹介されていないことが多いようです。しかし、そもそも「転じて」は「転ずる」もしくは「転じる」という言葉が元の形です。

「転ずる」「転じる」の連用形である「転じ」に、接続助詞「て」がついたことで、「転じ」+「て」=「転じて」になっています。

そのため「転じて」は「転ずる」「転じる」とおおよそ同様の意味もあると考えられます。

「転ずる」「転じる」とは

「転ずる」は「てんずる」、「転じる」は「てんじる」と読みます。言葉の意味は両方とも同じで、「方向・状態などを変える。移りかえる」もしくは「方向・状態などが変わる。移りかわる」といった意味を持っています。

例えば「会議が煮詰まってきたので、議題を転ずる(転じる)。」や「車の行き先を営業先へ転ずる(転じる)」。また「お客様の怒りの矛先が自分に転じる(転じる)。」や「プラスに転ずる(転じる)ことを祈る。」などのようにして使います。

「転じて」その他の使われ方

「転じて」という言葉は辞書に載っている以外に、「派生して・解釈を広げて考えて」といったニュアンスで使われることもあります。

このような意味合いで使われる「転じて」は、例えば「〇〇という言葉は、転じて△△という意味を持つようになった。」などのように、国語辞典の解説部分などでよく見かけます。

しかし「転じて」が何故このような使われ方をするのでしょうか。それでは一旦ここで「転じて」に使われている「転」という漢字に注目してみましょう。

「転」は音読みで「てん」。訓読みで「ころがる・ころげる・ころがす・ころぶ 」のように読みます。「転」の漢字自体は「ころがる。まわる。ころぶ。うつる。ますます。」という意味を持ちます。

もしかしたら「転」の漢字が元々持っている意味やイメージ。また「転じて」の元の形である「転ずる」「転じる」が持っている言葉の意味など、様々な要因がプラスされて、”「転じて」=「派生して・解釈を広げて考えて」”に繋がったのではないでしょうか。

「転じて」の使い方

  • 4月は業績が悪い。転じて、新規開拓に関しては好調だ。(「ところで」の意味)
  • 提出書類は各自確認して下さい。転じて、午後の予定はどうなっているのでしょうか?(「ところで」の意味)
  • 彼女は元々温厚だった。しかし結婚したら転じて鬼嫁になった。(「状態変化」の意味)
  • 麻雀用語の聴牌(テンパイ)という言葉が、転じて「興奮状態を指し示す」時に使われることもある(「派生して・解釈を広げて考えて」の意味)

「災い転じて福となす」とは

「災い転じて福となす」は「転じて」を使った代表的な故事成語です。「災いを転じて福となす」や「禍を転じて福と成す」のように表記されることもあります。

意味は「災いに襲われても、それを逆用して幸せになるように取り計らう。」で、「マイナスな出来事があっても、プラスにする(プラスになる)」といった意味のニュアンスを持っています。

つまり「災い転じて福となす」は言わば状態の変化。よってここで使われている「転じて」は、「転じて」の元の形である「転ずる」「転じる」の意味である「方向・状態などが変わる。移りかわる」からきていると考えられます。


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