「斜に構える」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「斜に構える」という言葉をよく使いますか?これは「読み方を間違えやすい定番表現」だと言われています。また「斜に構える人」と聞いて、どんな印象を持たれるでしょうか?ここでは「斜に構える」の正しい読み方とともに、語源や意味、使い方などをご紹介します。

目次

  1. 「斜に構える」の読み方
  2. 「斜に構える」の語源
  3. 「斜に構える」の意味と使い方
  4. 「斜に構える」の使い方の変化
  5. まとめ

「斜に構える」の読み方

「斜」の読み方

まず「斜」だけを見てみると

・なな(め) 斜め前(ななめまえ)、斜め読み(ななめよみ)
・しゃ    傾斜(けいしゃ)、斜面(しゃめん)
・はす    斜交い(はすかい=「ななめ」の古い言い方)

などの読み方があります。

「斜に構える」の読み方

では「斜に構える」の読み方はどれでしょうか。「ななめにかまえる」と答えた方はいませんか?残念ながらこれは不正解。正しくは「しゃにかまえる」と読みます。

ちなみに「はすにかまえる」という読み方でもOKですが、辞書によっては解釈が違うようなので、一般的には「しゃにかまえる」と覚えておくといいでしょう。

「斜に構える」の語源

何気なく使っているこの「斜に構える」という言葉ですが、語源が何かご存知でしょうか。これは元々剣道で斜めに構え、相手にすきを見せないように備えたことからできた言葉だと言われています。

剣道には、竹刀を頭上に振り上げた上段の構え、剣先を相手の膝頭下まで下げた下段の構え、竹刀を上段と下段の中間に置き剣先を相手に向かって「斜め」にのばした中段の構えがあります。

この刀を「斜め」にのばした中段の「構え」が「斜に構える」の語源だと考えられます。刀ではなく体を斜めにして構える、という説もありますが、いずれにしても「剣道」において相手に対し何らかを「斜め」にして「身構える」ことが語源とされているのです。

「斜に構える」の意味と使い方

「斜に構える」は、剣道の構えから転じて、現在では人の態度について表現する慣用句として使われています。では、皆さんは「斜に構える人」と聞いて、どんな印象を持たれるでしょうか。実際には次のように使われています。

「斜に構える」の意味その1

・新人なのだから、斜に構えた態度はとらない方がいい。
・最初から斜に構えたものの言い方をされては話にならない。
・斜に構えるのではなく素直に意見を聞けばよかった。
・ひねくれたり、斜に構えたりするのは私の悪いところだ。

あまりいい印象ではなさそうですね。

辞書には「物事に正面から対応せず、皮肉な態度をとる」と書かれています。皆さんもこの意味で使われている方が多いのではないでしょうか。

「斜に構える」の意味その2

しかし辞書にはもう一つ、全く違う意味が書かれているのをご存知ですか?
以下のような使い方を見たことがあるでしょうか。

・大切な話があると言われ、斜に構えて待っていた。
・彼女の両親がいらっしゃると聞き、斜に構えずにはいられなかった。

先ほどの「皮肉な態度」という意味だとしっくりきませんよね。「斜に構える」とは、元々剣道の構えから転じて、「身構える」「きちんとした態度をする」「すきのない身構えをする」という意味を持つ慣用句なのです。

「斜に構える」の使い方の変化

古語辞典を見ると、「皮肉な態度」という意味は載っておらず、江戸時代には「お祝いの席だから斜に構えている」というように「改まった態度」という意味で使われていました。

また、現代の辞書を古い版にさかのぼってみても、「皮肉な態度」という意味が新たに登場してきたのは、1990年前後と、比較的最近の事のようです。

つまり剣道を語源とし、そこから転じて「改まった態度で身構える」という意味で使われていたものが、ここ数十年の間にさらに使い方に変化が見られ、「皮肉な態度」という全く違った意味で使われるようになったと言えるのです。

「斜」という漢字は、「ご機嫌斜め(=機嫌が悪い)」「世間を斜めに見る(=ひねくれた見方をする」のように、人の気持ちなどが普通とは少し異なる場合にも使われることから、「斜に構える」も「ひねくれた」「皮肉な」「素直じゃない」といった意味で使われることが多くなってきたのではないでしょうか。

まとめ

「斜に構える」の読み方、語源、意味、使い方を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。元々の意味とは違う意味で「誤って」使われるようになり、後にその使い方が広まった慣用句は他にも色々あると言われています。誤解を生まないように、時には他の言葉に言い換える工夫も必要かもしれません。


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