「塞翁が馬」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは「塞翁が馬」(さいおうがうま)という言葉の意味を説明できますか?日常会話ではあまり使わないかもしれませんが、新聞や小説などの書き言葉ではよく使うので覚えておくと良いでしょう。今回は、この「塞翁が馬」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「塞翁が馬」の意味とは?
  2. 「塞翁が馬」の由来
  3. 「塞翁が馬」の使い方
  4. 「塞翁が馬」の類語

「塞翁が馬」の意味とは?

「塞翁が馬」(さいおうがうま)とは、「人生のうちに訪れる幸や不幸は予測できない」ことを例えた言葉です。「人間万事塞翁が馬」とも言います。この「人間」には「にんげん・じんかん」の2通りの読み方があり、「人類・ひと」ではなく「世間」を指しています。

「塞翁が馬」の「が」は所有を表す格助詞です。しかし、だからといって「塞翁の馬」とは言いません

「塞翁が馬」の由来

「塞翁が馬」は中国の前漢時代の哲学書『淮南子(えなんじ)』に記されている、次のエピソードに由来します。

昔、中国の北辺の塞(とりで)近くに占いが巧みな塞翁という老人が住んでいました。ある日、塞翁の馬が隣国の胡に逃げてしまったのです。気の毒がる隣人たちに、塞翁は「これは幸福の基になるだろう」と言います。

果たして、その馬は胡の駿馬(しゅんめ)を連れて帰ってきました。祝ってくれる隣人たちに、塞翁は「これは不幸の基になるはずだ」と言いうと、その通り、塞翁の息子が落馬して足を骨折してしまったのです。

隣人たちが彼を見舞うと、また、「これが幸福の基になるだろう」と言います。その一年後、胡軍が進行してきて多くの若者が戦死しましたが、塞翁の息子は骨折のおかげで兵役を逃れ、親子共々無事でした。

「塞翁が馬」の使い方

「塞翁が馬」は禍福は予測できないことの例えですが、人を励ます時などにも用いられます。また、目の前の出来事の良し悪しに振り回されないようにしなさいという教訓としても使われます。

【例文】

  • 彼氏にこっぴどく振られたばかりだが、素敵な出会いに恵まれた。まさに塞翁が馬だ。
  • 不幸な目にあったからといってくよくよしてばかりいるな。塞翁が馬というように悪いことばかりが続くものではない。
  • 良いことがあったからと喜んでばかりはいられない。塞翁が馬というだろう。

「塞翁が馬」の類語

「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」

「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」とは「人生には悪いときもあれば良いときもある」という意味です。悪いことばかりが続くものではないということを例えています。

ここでの「瀬」(せ)は、淵も浅瀬もある川の流れのことです。人生の局面を瀬に見立てて、人生には浮き沈みがあるので、不運なことがあってもそればかりではないから落ち込まないことだと言っているわけです。

【例文】長年成功していたあの事業が急に失速するなんて沈む瀬あれば浮かぶ瀬ありだな。

「禍福は糾える縄の如し」

「禍福は糾える縄の如し」(かふくはあざなえるなわのごとし)は、「幸福と不幸はより合わせた縄のように表裏一体である」という意味です。交差する縄の表と裏を幸不幸に見立てて、それらは表裏一体だということを表しています。

中国の『史記・南越列伝』に書かれている「禍に因りて福を為す。成敗の転ずるは、譬えば糾える纆(なわ)の如し」や、『漢書・賈誼(かぎ)伝』にある「それ禍と福とは、何ぞ糾える纆に異ならん」という言葉が語源とされています。

【例文】たとえ好調な時であっても油断しないほうがいい。禍福は糾える縄の如しだからだ。

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