「カニバリズム」とは?意味や分類をご紹介

「カニバリズム」を平たく言えば「人の肉を食べること」です。食人なんてとんでもない!と思うかもしれませんが、実は歴史的には日本人も食人と無関係ではないのです。本記事ではそんな「カニバリズム」の意味や定義、分類などを紹介します。

目次

  1. 「カニバリズム」とは
  2. 風習としての「カニバリズム」
  3. 嗜好としての「カニバリズム」
  4. 「カニバリズム」以外の食人

「カニバリズム」とは

カニバリズムとは「人肉を食べること、またその風習」を意味する、英語の「cannibalism」が元となったカタカナ語です。

「cannibalism」の語の構成は、人を食べる人間・人食い部族を意味する「cannibal」と、主義を意味する「ism」から成っています。

人を食べるなんて信じられない!と思うかもしれませんが、食人は歴史的にみればけっして稀なことではなく、また必ずしも特別なこととも言えないのです。

以下、食人に関する解説が続きますのでご注意ください。

風習としての「カニバリズム」

風習としてのカニバリズムは、大きく「族内食人」と「族外食人」に分けられます。族外で行われる食人行為は復讐や威圧、あるいは敵の力を取り込むといった動機により行われます。

一方族内の場合は、供養のために近親者の一部を食すもの、宗教儀式の一環として食人するものなどがあります。

生薬としての人肉

「ミイラ取りがミイラになる」ということわざがありますね。ミイラを取りに行った者が、目的を果たせぬまま自身もミイラになるという意味ですが、なんでわざわざミイラを取りに行くの?と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

かつて、死者の肉は薬になると信じられていました。とくにエジプトのミイラはミイラ薬のなかでも最上品とされ、高値で取引されていたのです。

ここまで読んで、どこか遠い異国の話だと思ったかもしれません。しかし、日本にも生薬としてミイラが輸入されていた記録が、長崎商館の仕訳帳に残っています。また、杉田玄白・前野良沢の弟子である大槻玄沢の著書『六物新志』にも、ミイラが止血剤とされていたことが記されています。

嗜好としての「カニバリズム」

風習や習慣としてではなく、嗜好としてカニバリズムを行う者も存在します。たとえば中国は春秋時代、斉の桓公は「私はこれまであらゆる料理を食べてきたが、子供の蒸し焼きだけは食べたことがない」と発言しました。

これを聞いた料理人の易牙(えきが)は、自分の息子を殺して蒸し焼きにし、桓公に献上したのです。桓公はこれをとても喜んだといいます。

カニバリズム殺人:異常興奮型

カニバリズムは、しばしば快楽殺人の延長として、性的な要素をもって行われます。その多くは異常な性的興奮のなかで、過剰な死体損壊を伴いつつ行われます。

イタリア初のシリアルキラーとも言われる、ベルガマスカの吸血鬼ことヴィンツェンツォ・ヴェルゼーニや、ニテロイの吸血鬼ことマルセロ・コスタ・デ・アンドラーデなどが好例です。

カニバリズム殺人:調理型

また被害者を殺害後、遺体の一部を持ち帰り自宅で調理するなどしてカニバリズムを行う者も存在します。ロストフの切り裂き魔ことアンドレイ・チカチーロや、ミルウォーキーの食人鬼ことジェフリー・ダーマーなどが有名です。

この場合、殺害してからカニバリズムを行うまでにある程度の時間の経過があるため、ヴェルゼーニやアンドラーデのように興奮が持続したまま食人したかどうかは不明です。

カニバリズム殺人:目的型

さらに満月の狂人ことアルバート・フィッシュや、50人以上の被害者が存在するとも言われるニコライ・デュマガリエフのように、殺人の延長としてカニバリズムを行うのではなく、カニバリズムのための殺人を行うケースもあります。

日本における「カニバリズム」や「カニバル」という言葉の知名度アップに間違いなく貢献したであろう、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』に登場するハンニバル・レクターも同属性と言えるでしょう。

「カニバリズム」以外の食人

緊急避難としての食人

食人行為のなかでも、「カニバリズム」と定義されないものもあります。そのひとつが、ウルグアイ航空機571便遭難事故やミニョネット号事件のような、飢餓状態における緊急避難としての食人行為です。

ただしドナー隊遭難事故の際のルイス・ケスバーグのように、のちに自ら好んで人肉嗜食を行うようになった(※ただし本人は否定している)場合は「カニバリズム」と定義されます。

妄想による食人

サクラメントの吸血鬼ことリチャード・チェイスは、自分の命が『石鹸箱の毒』に侵されていると信じていたといいます。もちろん、そんな毒は現実には存在しません。彼は重度の精神障害を患っていたのです。

チェイスいわく、『石鹸箱の毒』は体内の血を粉に変えてしまうので、定期的に血を補充しなければなりません。そのため、自らの命を守る目的で殺害した被害者の血液を飲んだといいます。

荒唐無稽な動機とも思われますが、嗜好としての食人ではなく、本人にとっては必要に迫られた結果の食人であるため、このようなケースも「カニバリズム」とは定義されません。


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