「野暮」とは?意味や使い方をご紹介

「野暮」という言葉の意味をご存知ですか? 「デリカシーがないとかダサいって意味かな?」と、なんとなく格好悪いイメージを抱いていても、詳しい意味は知らないという方が多いのではないでしょうか。ここでは「野暮」の意味についてご紹介します。

目次

  1. 野暮の意味
  2. 野暮の使用例
  3. 派生語「野暮天」「野暮ったい」「野暮用」
  4. 「野暮」は男性専用?
  5. 「野暮」まとめ

野暮の意味

「野暮(やぼ)」は「粋(いき)」の反対語で、「不粋・無粋(ぶすい)」と同義語です。
「野暮」の意味は大きく分けて3つです。

1:風流を解さないさまや、遊里の事情に通じないさま。また、その人。

「風流は分かるけれど、遊里の事情って?」と思われる方は多いのではないでしょうか。

遊里(ゆうり)とは遊郭(ゆうかく)のことです。時代劇に出てくる遊郭だと吉原が有名です。かつては男性が遊女を買って遊ぶ遊里が全国にありました。遊里では、そこの事情に詳しく、気づかいができて、金払いがよく、お洒落で芸事に通じた男性が「粋」な客として人気でした。その逆が「野暮」な客です。事情に疎く、気が利かない、ケチでダサい客は、言うまでもなく遊女たちに嫌われました。

遊里が存在しない現在、遊里の事情に疎いという意味で「野暮」が使われることはありません。なので、風流に理解がないという意味を抑えておけば問題ありません。

2:人情の機微を解さないさまや世間の事情に疎いさま。また、その人。

現代において「野暮」という言葉は、この意味で使われることが大半です。

おもに、人の気持ちが分からない人に対して使う言葉で、わざわざ言うまでもないことを口にしたり、人の気持ちを考えずに行動したりする人は「野暮」な人です。「空気が読めない」「デリカシーがない」「配慮が足りない」「気が利かない」などに言い換えることができます。

「不粋・無粋」という言葉にも「人情の機微を解さない」という意味があります。「野暮」との違いはほとんどありませんが、「野暮」と比較すると、特に男女間の気持ちに疎い場合に使われます。

3:洗練されていない様子。

野暮な服装など、おもに見た目に対して使われます。「野暮」より派生語の「野暮ったい」のほうがよく使われます。後述の派生語「野暮ったい」を参照ください。

野暮の使用例

上記の意味を踏まえて例文を挙げます。

1の意味での使用例
「この庭の素晴らしさが分からないなんて、君は野暮だなあ」

2の意味での使用例
「男女のことに口を挟むな。野暮というものだぞ」
「仲間内で楽しくやっていたのに、部外者のくせに割り込むなんてあいつは野暮だ」
「初対面の女性に年齢を聞くなんて野暮な男ね」
「聞くだけ野暮だ。彼は会社をクビになったんだぞ」

3の意味での使用例
「彼はいつも野暮な格好をしている」

派生語「野暮天」「野暮ったい」「野暮用」

「野暮」から派生した言葉に「野暮天」「野暮ったい」「野暮用」があります。

野暮天

ひどく野暮なこと、またその人を指します。ひどい馬鹿を大馬鹿というように、ひどい野暮は野暮天といいます。

野暮ったい

あか抜けていない、洗練されていないという意味です。身だしなみなどに対して使う言葉で、野暮ったい恰好、野暮ったい髪形などのように使われます。「ダサい」とほぼ同義ですが、「野暮ったい」には田舎っぽい・時代遅れといったニュアンスが含まれることがあります。

野暮用

「野暮用」は便利な言葉です。もともとは「ちょっとした用事」「つまらない用事」を指していました。しかしながら、今では「仕事の用事」や「買い物などの日常的な用事」も「野暮用」、後ろめたいことや内密にしたいことも「野暮用」と言う人も少なくありません。

つまり、わざわざ話すまでもない用事や、人に話したくない用事を言い換えるための言葉が「野暮用」なのです。「今日、飲みに行こうよ」と誘って「ごめん、ちょっと野暮用で……」と断られたら、「分かった。また今度誘うね」とおおらかに受け止めましょう。「え? 何の用? 誰かと会うの?」などと詮索するのは、それこそ野暮というものです。

「野暮」は男性専用?

「野暮ったい」は男女どちらに対しても使われる言葉ですが、「野暮」はおもに男性に対して使われます。「野暮な人」という言葉からは大人の男性を連想します。かつては、遊里の事情に通じていない客を「野暮」とこき下ろしていたのですから当然かもしれません。遊里の客は大人の男性。「野暮な男」はいても「野暮な女」はいませんでした。

また、「野暮用」は男女どちらも使いますが、男性のほうがよく使います。「ちょっと野暮用で」と出かける男性は、単に説明するのが面倒なのか、それとも何か後ろめたいのでしょうか。

「野暮」まとめ

「野暮」はいろいろな意味を持ちますが、風流に疎い、人の気持ちが分からない、洗練されていないなど、どれもいい意味ではありません。野暮な人と思われないために、見た目も中身も「粋」でありたいものです。

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