「煽り」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「煽り」をという言い回しをご存じでしょうか。本来、ものごとの及ぼす影響という意味でしたが、最近は「煽り運転」が深刻な事件となり、報道で見ることも増えた言葉です。ここでは、「煽り」の意味や使い方を類語を含め紹介していきます。

目次

  1. 「煽り」の意味や使い方
  2. 「煽り運転」
  3. 「煽り」の類語
  4. 「煽り」の英語

「煽り」の意味や使い方

「煽り(あおり)」は本来は強い風による衝撃のことで、転じてものごとの及ぼす影響を表す言葉です。

「強風の煽りを受けて塀が倒れる」「不況の煽りを受けて倒産してしまった」というように使います。

「煽り」の成立

江戸時代に、芝居や見世物(みせもの)の木戸(きど。小屋や劇場の入り口)の前で扇(おうぎ)を開き、客を招き寄せる係の者がおり、それが「煽り」と呼ばれました。このことから、そそのかすという意味が生まれました。

その他の「煽り」

上のように一般的に使われる意味合いの他に、以下のものがあります。

  1. 穀粒などを揺らしたり、振動を与えたりして、その重さによって選別する道具。農機具の発達により、現在は廃れ(すたれ)ています。
  2. 写真用語。レンズ固定版や焦点面を、光軸に対して直角から傾けること。そうした機構のこと。建築物などを歪み(ゆがみ)なく撮影できるというメリットがあります。

「煽り」を含む用語

「煽り」を含む用語には以下のようなものがあります。古い言葉や専門用語なので、一般的に使うことはほとんどありません。

  • 煽り足…日本古式泳法用語。伸泳(のしおよぎ。現代の平泳ぎを横向きにしたような泳ぎ方)法での足の動かし方。
  • 煽り買い…経済用語。相場を騰貴(とうき。値段が上がること)させるために買うこと。買い煽り。
  • 煽り返し…劇場の大道具用語。張物(はりもの。木材を骨にして紙や布を貼ったもので、背景や屋体の壁に使う)の軸を中心として、左右に折り返し、別の場面に転換すること。
  • 煽り止め…開いた戸や扉が風に煽られるのを防ぐために、壁や柱にとめておく金具。
  • 煽り窓…窓枠と建具の上框(うわかまち。戸などの周囲の枠のうち、上部の横木)または下框(したかまち。下部の横木)を蝶番で連結し、外部に建具を押し上げ、あるいは押し下げて開くようにした窓。

「煽り運転」

この数年で一気に数が増えている「煽り運転」事故は、しつこく追い回したり、無理に停止させて暴行するなど、その内容の悪質さ、凶悪化から、もはや事故ではなく刑事事件になっています。

警察庁のサイトには以下のように明記されており、2016年中における高速道路での車間距離不保持(必要な車間距離をとっていない)違反による取り締まり件数は6690に上ります。

車間距離保持義務違反、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反のほか、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)や刑法の暴行罪に該当することがあり、(中略)運転免許の停止等の行政処分を厳正に行っています。

「煽り」の類語

「煽り」の類語は「刺激(しげき)」「影響(えいきょう)」などです。「刺激」は他のものを生理的・精神的に興奮させるような力を言い、肉体的かつ個人的規模のものに使います。「影響」は大規模なものに使う場合が多く、またどちらかと言えばマイナスな意味合いのことが多いようです。

比較してみると、以下のような使い方をします。

  • 日本文化に強い□□を与える…刺激○、影響○
  • 辛いものは胃を□□し、ファンが多い…刺激○、影響×
  • 相手を□□するような言葉…刺激○、影響×
  • 天候は農作物に□□する…刺激×、影響○

「煽り」の英語

「煽り」の英語はto tempt、to induce(仕向ける)、a stimulus(影響する)などです。

  • 風に煽られ瓦が落ちた…The roof tiles were blown off by the wind.
  • 不況の煽りを受けて彼の会社は倒産した…His company went bankrupt as a result of the recession.
  • 鉄道ストの煽りをくってホテル商売は大被害をこうむった…The railway strike hit the hotel business hard.


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