「認識」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「共通認識を持ちなさい」「認識が甘すぎるよ」「私の認識不足でした」と社会人になって使うことが多くなったと感じる「認識」という言葉ですが「認知」や「知識」といった類語との使い分けはできていますでしょうか?今回は「認識」の意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「認識」とは
  2. 「認識」の類語:認知
  3. 「認識」の類語:知識
  4. 「認識」の類語:その他
  5. 学問上の「認識」

「認識」とは

「認識」の意味と使い方

「認識」には、物事をはっきりと見分けて、その本質や意義を理解すること。またその理解された内容。という意味があります。

【使用例】

  • もう少しだけ事の重要性を認識して頂けますでしょうか
  • 認識を改めることがとても大事なことなのです
  • 遠くからでも彼の姿を認識できた

「認識」の類語:認知

「認知」の意味と使い方

「認知」は、ある事柄をはっきりと認めることをいいます。

【使用例】

  • 標識を認知するのが遅れた
  • 現状をよく認知してください

「認識」と「認知」の違い

「認識」も「認知」も「はっきりそれと認める」という心の働きですが、「認知」が単に対象を知覚して認めるということだけを表すのに対して、「認識」は「認知」よりも深く「その(対象の)本質や意義を知る」というところまでも表す言葉です。

法律上の「認知」

「認知」にはもう一つ、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子を、その父または母が戸籍法の手続きによって自分の子と認め、法律上の親子関係を発生させること、という意味もあります。

「認識」の類語:知識

「知識」の意味と使い方

「知識」は、ある物事について認識し、理解していること。またその内容をいいます。

【使用例】

  • 音楽についての彼女の知識の豊かさに驚かされた
  • 予備知識も無しに訪れたことを後悔した

「認識」と「知識」の違い

対象の本質や意義を理解することや理解し把握したものを「認識」と呼びますが、この「認識」の心の働きや作用の結果、心の中に蓄えられたものや得ることができた成果の蓄積を「知識」と呼びます。

「認識」の類語:その他

察知/感知/関知

「認識」の「知る」という意味に対しては多くの類語があります。推し量って知ることを表すのは「察知」といいます。「危険を察知して逃げ出した」と使います。

感じ取って知ることは「感知」といい、同音でも「関知」は関係があって事情を知っていること、あずかり知ることをいいます。それぞれ「危険を感知する」「この件については一切関知しない」などと使います。

理解/知る/分かる

物事の道理がわかること、意味や内容などを正しく判断することを「理解」と表します。内容が整理されて明らかになることを「分かる」といいます。理解し体得する、経験することを「知る」といいます。これらの言葉に共通していることは「物事の道理をのみ込む」ということです。

「文章を理解する」「何をしたいのか理解に苦しむ」「言葉の意味が分かる」「今は分からなくても大人になれば分かるだろう」「一を聞いて十を知る」「子を持って知る親の恩」などの使い方があります。

「知る」は「領る(しる)」と同源で、物事を全体にわたって支配し認識することが基本的な意味であり、「分かる」は、物事に筋道を立てて分析的に理解することというのが基本の意味となります。

学問上の「認識」

「認識」(哲学)

哲学で使われる「認識」は「人間が事物の性質や、事物と他の事物との関係などについて正しい判断を持つこと。またそれによって知り得た内容。」を意味します。

感覚や知覚によって経験的に得られる認識を「感性的認識(経験論)」といい、感覚に依らずに考え(理性)の働きのみに基づいた認識のことを「理性的認識(合理論)」といいます。

哲学上の「認識」はこの二つに大きく分かれ、理論体系によってはさらに「直観的認識」「知性的認識」などに分かれます。

「認識」(心理学)

心理学で用いられる「認識」は、心理上の過程の一つを表します。外の世界から得た情報に意味を持たせた上で意識に上る過程です。

まず体の感覚をもとに外からの情報を知覚します。それに意味を持たせる(意味付けをする)のは知性や理性、悟性などの能力によります。よってここに個人差が生じます。同じ対象であっても個人ごとに認識をしている・していないというケースが起こるのです。

「見ている」と「見えている」の違いが判りやすい例といえますね。心理学では知覚していることイコール認識していることとは成らないのです。さらに哲学における「認識」が表す「(対象の)本質をとらえる」ということも別問題だということができます。

【関連語】
心理学用語の「Cognition(認識)」は「認知」の方がふさわしい場合があります。Cognition を日本語に訳している言葉でも実際に「認知」を使ったものが多くあります。

  • 認知科学…人間やその他の生物の認知機能を解明しようとする学際的な科学。心理学、言語学、人工知能、情報工学、神経科学など多方面の分野と関わり合う。
  • 認知症…正常に発達した知的能力が脳の老化や器質的疾患などによって低下した状態のことをいう。

「認識」(情報工学)

情報工学における「認識」は「コンピューターがハードウェアや画像・音声などの外部からのデータを判別し、その性質や意義を理解したり意味づけをすること。またはその過程」のことをいいます。

外部からのデータをもとに対象を拾い出す処理のことは、特に「パターン認識」と呼ばれています。生体認証や音声認識などですでに実用化され、今後もますますその応用が期待されています。


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