「アコギな商売」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「アコギな商売」をという言い回しをご存知でしょうか。アコギは漢字では「阿漕」と書き、際限なくむさぼり、あつかましく無慈悲な商売をすることを言う慣用句です。ここでは、「アコギな商売」の意味や使い方を紹介していきます。

目次

  1. 「アコギな商売」の意味
  2. 「アコギな商売」の使い方
  3. 「アコギな商売」の語源
  4. 「アコギな商売」の類語
  5. 「アコギな商売」の英語

「アコギな商売」の意味

「アコギな商売」とは、際限なくむさぼり、あつかましく無慈悲な商売をすることを言う慣用句です。

アコギは漢字では「阿漕と書き、古い言葉でずうずうしい、あつかましいの他に、物事が度重なることも言います。

「アコギな商売」の使い方

  • 弱いものいじめのアコギな商売をする
  • 詐欺(さぎ)まがいのアコギな商売だ
  • こんなにアコギな商売は他にない

「アコギな商売」の語源

「アコギな商売」の「阿漕」のずうずうしいという意味は、一つの伝説から発生した歌枕や能などが語源になっています。

元となったのは「阿漕浦(あこぎうら、または、あこぎがうら)」という地名で、三重県津市の岩田川河口付近の海岸(現在、一帯は伊勢の海県立自然公園)のことでした。ここはかつては伊勢神宮に供える魚を捕る漁場で、一般の漁獲は禁止されていた「殺生禁断の海」でした。

伝説の「阿漕」

ですが、実際は密漁が行われていたことを示す「逢うことを一の島に引く阿漕の島に引く鯛のたび重ならば人も知りなむ」という歌が『古今和歌六帖(こきんわかろくじょう、平安時代に編纂された私撰和歌集)』にあり、また鎌倉時代の『源平盛衰記(げんぺいじょうすいき)』などにも見られるようです。

これが広まり、「阿漕」はずうずうしく同じ悪事を繰り返す様子を表す言葉(隠語)になりました。

この阿漕浦で、ある漁師がたびたび禁を犯したために海に沈められたという伝説が古くから存在したようで、歌枕(和歌に読み込まれる、名所、枕詞、序詞など、ある特殊な言葉)にも「阿漕が浦に引く網」というものがあります。

上の古今和歌六帖の歌からきたもので、つまり平安時代には一般常識レベルの有名な話だったようです。

能の「阿漕」

作者未詳の謡曲(能でうたわれる詞)に『阿漕』という作品があります。伊勢の阿漕が浦に来た僧が、かつて密漁の罪で捕らえられ、簀巻き(すまき)にされ海に沈められ死んだ男の幽霊に会うという話です。おそらく、阿漕浦の伝説の作品化としてもっとも古いものです。

また御伽草子(おとぎぞうし。鎌倉時代末期発祥、絵入り短編物語。浦島太郎や鉢かづきなど現在でも有名な話が入っている)に『阿漕の草子』という作品が収録されています。

浄瑠璃の「阿漕の平次」

また浄瑠璃(謡曲などから発生した三味線を伴奏にする語り物)にも、『阿漕の平次(あこぎのへいじ)』という作品があります。

平次は漁師の名で、病気の母のために(悪いこととは知りながら)密漁を繰り返します。浄瑠璃は一般民衆に高く支持された語り物なので、ストーリー性が重要なジャンルです。

誰でもが知っていた阿漕浦の伝説を、より民衆に受けさせる、感情移入させ人気を高めるために、悲劇の善良な主人公が必要でした。それ以前の能や御伽草子には登場しない平次という名前が生まれた事情はそのように考えられます。

実際の阿漕浦の近くに、平次の霊をまつる「阿漕塚」があり、現在も供養祭が盛大に行われています。

「アコギな商売」の類語

「アコギな商売」は慣用句として成立しており、「~な(の)商売」の部分は言い換えが難しい言葉です。

「アコギ」の類語としては、欲張り(よくばり)、欲深(よくふか)、強欲(ごうよく)、貪欲(どんよく)、がめつい、などがあります。この中では「欲張り」がもっとも普通に使われる言葉ではないでしょうか。

「がめつい」は俗語的で、利益に対して抜け目がない、けちな様子に使います。「貪欲」だけが少し違って、良い意味でも使う場合があります。「持ち前の貪欲さで勉強に励む」と言うと、とても一生懸命勉強をしているイメージになります。

「アコギな商売」の英語

「アコギな商売」の英語は、例えば商売をbusinessとした場合、shameless、brazen(図々しい)、insatiable、greedy(欲張りな)、heartless、ruthless(情がない、無慈悲な)、vicious、wicked(あくどい)などがあります。


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