「為す」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「為す」という言葉をご存知でしょうか。「する」「やる」の古い言い方で、現在では話し言葉でなく、ほとんどの場合が慣用句や報道や文章などで使っているのではないでしょうか。ここでは「為す」の意味や使い方などを、順に紹介していきます。

目次

  1. 「為す」の意味や使い方
  2. 「為す」の他の「なす」との違い
  3. 「為す」の類語
  4. 「為す」の英語

「為す」の意味や使い方

「為す(なす)」は、「する」「やる」の古い言い方で、現在では話し言葉ではなく慣用句や報道や小説などの文章語として使われています。

【用例】

  • やること為すこと
  • 為す術もない
  • 為すがまま
  • 私たちはいま何を為すべきか
  • これは何者の為せる業(わざ)か
  • 為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり

「為す」の他の「なす」との違い

「為す」の他の「なす」に、「成す」「生す」があります。語源はどれも一緒ですが、微妙に意味が違うので細かく見ていくことにします。

まず「為す」は、人がある動作や行動をすること、また物事がある作用をすることで、英語のto doに近く、とても広い意味合いになります。

「成す」

  1. ものや状態を作り出すこと。「一代にして財を成す」「恐れを成して逃げる」
  2. 寄り集まって群れやグループを作ること。「群れを成して移動する」
  3. 優れた功績によって名声や地位を確立すること。「彫刻家として名を成す」「政界に重きを成す」

これらは「なす」とかな書きの場合が多いですが、漢字で書くと「為す」ではニュアンスを伝えられないので、「成す」になります。この他にも、「~と成す」「~の用を成さない」や、複合動詞(織り成す、聞き成す、など)も「成す」になります。

「生す」

子が生まれる、産むことの意味で、「子まで生した仲」「生さぬ仲」というように使います。

現在使われていないもの

その他、「なす」と読む古い言葉で現在では文章語としても使われることがないものに、「済す(義務を果たす、借りたものを返す)」「寝す(おやすみになるという敬語)」「鳴す(鳴らす)」があります。

「為す」の類語

「為す」の類語は「する」「やる」「行うになります。「為す」は現在ではほぼ慣用句や文章語に限られるので、例えば「私たちはいま何を為すべきか」を「何をするべきか」「何をやるべきか」「何を行うべきか」と言い換えて問題ありません。

「為す」の英語

「為す」の英語はdo、to do(する、行う)になります。

  • 為すすべを失って呆然と立っていた…At a loss what to do, she stood there vacantly.
  • 息子の為すがままにさせておこう…I will let son do as he likes.


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