「卑しい」とは?意味や使い方・対義語をご紹介

「卑しい」という言葉をご存知でしょうか。日常生活で使う機会は少なめかと思いますが、時代劇などでは「卑しい身分」のような形で、たまに使われています。ここではそんな「卑しい」の意味や使い方などを、対義語も含めて、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「卑しい」の読み方
  2. 「卑しい」の意味
  3. 「卑しい」の使い方
  4. 「卑しい」に関連する言葉
  5. 「卑しい」の対義語

「卑しい」の読み方

まず「卑しい」は、「いやしい」と読みます。音読みで「卑」は、「ひ」と読む字です。漢字検定では、三級あたりで出てきます。

「卑しい」の意味

「卑しい」には細かく分けて、以下の四つの意味があります。

  1. 身分や社会的な地位が低いこと
  2. 品位に欠けていること、下品なこと
  3. 貧しい、みすぼらしいこと
  4. 食事、金銭に対して貪欲なこと

他には取るに足らないことも表しますが、そちらは古い読み物などで使われている意味なので、現代では大抵、1~4を示すかと思います。またこの言葉は「賤しい」とも書きますが、意味は同じです。

「卑しい」の使い方

「卑しい」は形容詞に分類され、形容詞とは対象の性質、状態を表す役割などを持っています。ここでの性質や状態とは、「卑しい」の1~4の意味ですね。

よってその対象と一緒に使うと、意味が適切に伝わりやすいかと思います。つまり何が卑しいのか、ということです。またこの言葉は「卑しく」や「卑しさ」などのよう、変化した形でも使われます。

卑しい:地位が低いこと

【例:彼は卑しい身分だ】

これは1の意味で使っていて、そのまま「地位が低い」ことを表しています。時代劇などでは、たまにこういう台詞を耳にします。たとえば作中の奴隷であったり、お殿様から見た平民であったり、自分よりも下の立場の人間、ということです。

また、へりくだって何かを言うとき、「卑しい身ではありますが~」と自分を指して使うこともあります。

卑しい:下品なこと

【例:彼は言葉遣いが卑しい】

これは2の意味で使っていて、「言葉遣いに品がない」や「言葉遣いが下品だ」と言い換えられます。身分と比べると、割とニュアンスが違っていますね。

卑しい:貧しいこと

【例:服装が卑しい】

これは3の意味で使っていて、「服装がみすぼらしい」と言い換えられます。ちなみにみすぼらしいとは、身形が悪いことを表します。もっと噛み砕いて言えば、貧乏臭い格好ということです。

卑しい:貪欲なこと

【例:彼女は金に卑しい人間だ】

これは4の意味で使っていて、「金への欲が深い」と言い換えられます。金に汚い、ガメついようなニュアンスです。

似たような使い方として、食い意地の張っている人のことを、「口が卑しい」と表したりします。食事に対して、がっついている感じです。

「卑しい」に関連する言葉

「卑しい」に関連する言葉には、「下劣(げれつ)」、「さもしい」、「浅(あさ)ましい」、「卑俗(ひぞく)」などがあります。

「下劣」について

「下劣」とは、下品で卑しいことや、その様子を表します。使い方に関しては、「下劣なやり口」や「下劣な趣味」のように用いられます。

また「お下劣」という形でも使われたり、他には「下劣」を強調した、「品性下劣」という四字熟語があります。

「さもしい」について

「さもしい」とは、心が卑しいことや、見苦しい、みすぼらしいことを表します。使い方に関しては、「さもしい行為」のように用いられます。

「浅ましい」について

「浅ましい」には幾つかの意味がありますが、中でも品性が下劣なことや、身分や身形が卑しいことという点は、「卑しい」と似ています。使い方に関しては、「浅ましい根性」や「浅ましい姿」のように用いられます。

「卑俗」について

「卑俗」には、以下の二つの意味があります。

  1. 卑しく下品なこと、品がなく俗っぽいことや、その様子
  2. 田舎びていることや、その様子

たとえば下品という意味で、「卑しい言葉遣い」は「卑俗な言葉遣い」と言い換えられます。またこの言葉は、「卑俗的」や「卑俗性」のような形でも使われます。

「卑しい」の対義語

「卑しい」の対義語としては、「尊(とうと)い」が挙げられます。

「尊い」について

「尊い」には、以下の三つの意味があります。

  1. 崇高で近寄りがたいことや、神聖、高貴なこと
  2. 極めて価値が高いこと、非常に貴重なこと
  3. 高徳で、ありがたいこと

とりわけ高貴なことは、「卑しい」における1の対義語として分かりやすいかと思います。たとえば立場に関して、お殿様のことを「尊い身分」と表したります。その人が崇高や高貴なことなので、「卑しい身分」とは正反対ですね。

また「尊い」は「たっとい」と読まれたり、「たっとい」は「貴い」とも書かれますが、含む意味はほぼ同じです。

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