「境地」とは?意味や使い方をご紹介

「境地」という言葉をご存知でしょうか。日常生活で使う機会は少なめかと思いますが、読み物などではたまに「〇〇の境地」のような表現を見かけます。ここではそんな「境地」の意味や使い方などを、関連する言葉も含めて、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「境地」の読み方
  2. 「境地」の意味
  3. 「境地」の使い方
  4. 「境地」に関連する言葉

「境地」の読み方

まず「境地」は、「きょうち」と読みます。訓読みで「境」は「さかい」と読む字です。「地」は音読みで「じ」とも読みます。

「境地」の意味

「境地」には細かく分け、以下の三つの意味があります。

  1. その人の置かれている立場
  2. ある段階に達した心の状態
  3. 芸術などの、分野や世界

どれも少し曖昧な意味で分かりづらいかと思いますが、「境地」とはこのように、その場所や環境などを表します。

それぞれの字について、「境」の字は区切り目や、範囲内の地などの意味を持っています。一方の「地」には、土地や下地などの意味があります。

「境地」の使い方

「境地」は名詞であり、「境地に~」や「境地を~」などのように使われます。また「諦めの境地」、「無我の境地」、「忘我の境地」などの形で、定型というか、よく使われる表現があります。

境地:立場のこと

【例:厳しい境地に立たされる】

これはそのまま、「厳しい立場に立たされる」と言い換えられます。更に別の言い方をすると、情け容赦がない環境に置かれる、といった感じです。

こうした使い方は自分の立場だけではなく、身辺の事情を含む場合もあります。とりわけこの例文は、自分や周りがピンチ、ヤバイようなニュアンスが伝わるかと思います。

境地:心の状態のこと

【例:悟りの境地に達する】

これは「心が悟りの状態に達する」と言い換えられますが、どちらかと言えば「悟りを開く」や「悟りに至る」の方が適切かもしれません。そして悟りとは、物事の真の意味を知ることや、仏教において永遠の真理を会得することを表します。

境地:分野や世界

【例:音楽で新たな境地を開く】

これは「分野を開く」と「世界を開く」、どちらでも言い換えられます。その人の心境を反映しての変化というか、新しいことに気づく、始めるようなニュアンスです。立場とも心の状態とも、割とニュアンスが違っていますね。

「諦めの境地」とは?

「諦めの境地」とは、その事に対し、諦めることを考えるような立場を表します。立場なので、「境地」における1の意味ですね。

そして諦めるという言葉には、物事を見極める、真実をよく見るなどの意味があります。そう考えると、上述の悟りに通じるところがあります。

なので「諦めの境地」は、単に見込みがないことや断念することの他にも、「悟りの境地」と似たような意味合いで使われることがあります。

「無我の境地」とは?

「無我(むが)の境地」における「無我」とは、無心であることや我意がないこと、または仏教の思想の一つを表します。ちなみに我意とは、勝手気ままな心や、わがままのことです。

つまり「無我の境地」とは、仏教の思想も関わってくるので曖昧ですが、身勝手な心や、邪念がない状態に達するというようなことです。「境地」の2の意味ですね。

「忘我の境地」とは?

「忘我(ぼうが)の境地」における「忘我」とは、その物事に心を奪われて自分を忘れることや、夢中になることを表します。

つまり「忘我の境地」とは、それに夢中になって自分を忘れる状態に達する、というような意味です。「無我」と似ていますが、少しニュアンスが違っていますね。こちらも「境地」の2の意味です。

「境地」に関連する言葉

「境地」に関連する言葉には、「心境」や「高み」などがあります。

「心境」について

「心境(しんきょう)」とは、そのときの気持ちや、心の状態を表します。心の状態という点は、「境地」における2の意味に入っていますね。たとえば「諦めの境地」は、「諦めの心境」と言い換えられます。

「高み」について

「高み」とは、周囲よりも高い場所のことを表します。ここでの高い場所とは、立場や心の状態、その人の世界なども含みます。つまり「境地」における1と2と3の意味に通じています。

たとえば「組織のトップという高み」でしたら、トップという高い立場を表しています。「悟りという高みに至る」でしたら、心の状態を表しています。

そして「ビアノで未知の高みに上る」の場合、高い立場に上ることを意味する一方で、「ピアノという分野で新たな世界を開く」とも伝わります。


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