野球における「バッテリー」とは?意味や由来・使い方などをご紹介

野球中継やニュースを観ていると「最強バッテリー」のように耳にすることのある「バッテリー」という言葉ですが、野球に詳しくない人にとっては電池のバッテリーと混乱してしまいそうですね。今回は野球における「バッテリー」の意味や由来、使い方についてご紹介します。

目次

  1. 野球における「バッテリー」とは
  2. 「バッテリー」の由来
  3. 「バッテリー」の信頼感
  4. バッテリーの日
  5. 最優秀バッテリー賞(日本プロ野球)

野球における「バッテリー」とは

「バッテリー」の意味

バッテリーとは野球・ソフトボール用語のひとつで、ピッチャーとキャッチャーのペアに対しての呼称になります。バッテリーは「夫婦」に例えられることも多く、キャッチャーのことを「女房(役)」と呼ぶこともあります。

「バッテリー」の使い方

「バッテリー」は野球やソフトボール関係者であれば、よく口にしたり耳にする言葉ですが、それ以外の人にとっては野球中継やニュースなどでしか聞くことのない言葉かもしれません。

【例文】

  • バッテリー経験が長いので二人の呼吸がぴたりと合っている
  • 彼とバッテリーを組ませてください
  • サイン交換はバッテリー間の会話ともいえる
  • 優勝チームのバッテリーは最高のコンビだった
  • あのバッテリーの戦略にまんまとひっかかった

一般の人にとっては、「バッテリー」は「電池」を表す言葉として使われることがほとんどですね。野球の「バッテリー」と電池の「バッテリー」の違いは、アクセントです。野球の方は前にアクセントがあり、電池の方は後ろにアクセントがあります。

「バッテリー」の由来

由来:大砲/砲台/砲兵

バッテリー(battery)の語源はラテン語のバットゥエレ(battuere)です。この言葉には元々「打つ/叩く/攻撃する」という意味があり、それが派生して「大砲/砲台/砲兵」という意味に転じました。

そして大砲を打つ砲兵と、ボールを投げるピッチャーのイメージが重なって、ピッチャーのことをバッテリーと呼ぶようになり、それがいつの間にかピッチャーとキャッチャーの組を表す言葉になったと言われています。

「砲台」は大砲が発射される場所ですので、ピッチャーズマウンド(内野の中心にピッチャーが投球をするために土が高く盛られている場所)を彷彿とさせる、まさにピッタリの表現だともいえます。ちなみに、ボールを打つバット(bat)も、戦うという意味のバトル(battle)と語源が同じです。

由来:1組のもの

バッテリー(battery)には、自動車で使うバッテリー「電池」という意味もあります。このバッテリーはもともとは2個以上のcell(セル:単一構成の電池)を一組とするものでした。そこから「一組のもの」「一連のもの」「一対のもの」という意味が生まれました。

ピッチャーとキャッチャーも「一組のもの」としてお互いに欠かすことのできない存在だという意味で例えられるようになったという説もあります。

この電池説にちなんで「ピッチャーの性格はプラス思考が良くて、キャッチャーはマイナス思考が良い。プラスとマイナスが揃うことによってうまくいくということからバッテリーと呼ぶようになった」という説もありますが、これはさすがに後付けのようです。

「バッテリー」の信頼感

野球の試合はピッチャーがボールを投げなければ試合は始まりません。そのボールを、どんなボール(直球、カーブなど)で、どこに投げるのか(内角、外角、高め、低めなど)を決めてサインを送るのがキャッチャーの役目です。バッテリーの連携が試合をスタートさせ、さらに試合を組み立てていくことになります。

「バッテリー」の連携の重要性

試合においては、個々の能力以上にピッチャーとキャッチャーがバッテリーとして力を合わせることが重要なポイントになります。

例えば、ピッチャーが素晴らしいボールを投げてもキャッチャーがそれを捕ることができなければ良い投球にはなりません。逆にピッチャーの投球が暴投が多ければ四死球ばかりで試合になりません。

技術的にも精神的にもピッチャーはキャッチャーを信頼してしっかり投げること。そしてキャッチャーはそのボールをがっちりと捕球すること。練習時からこのような基本を常に考えながらやることがバッテリーの「信頼関係」を築くことにつながります。

良いキャッチャー

ピッチャーからみて良いキャッチャーとは、気持ちよく安心して投げることができるキャッチャーです。そのために必要な要素のひとつが「キャッチング」です。

具体的には、ストライクゾーンの的として投げやすいことや、多少のコントロールミスをしてもボールを捕球してくれる、もしくは体で止めてくれることなどです。

もう一つの要素は「リード面」です。球種(直球、カーブなど)の選択を信頼できれば、ピッチャーは自信をもって投げることができます。打者や相手チームの作戦を見抜く洞察力もピッチャーを助けます。さらにピンチの時にピッチャーを落ち着かせて、さらに盛り上げることもキャッチャーの重要な役割です。

技術面だけでなく精神面でもピッチャーをリードできることが、優れたキャッチャーの要素であると言えるでしょう。

良いピッチャー

キャッチャーからみて良いピッチャーとは、要求した(サイン)通りに投げてくれるピッチャーです。どんな場面でもきちんと投げることができれば問題はないでしょう。

技術面でいえば、盗塁を阻止するために協力してくれること(牽制球やクイックモーションなど)や、守備がうまいことなどもあります。

精神的には気が弱くてくよくよするタイプよりも、負けず嫌いで図太く「打てるもんなら打ってみろ」といった強いメンタルを持ったピッチャーの方が良いといえます。

バッテリーの日

毎年12月12日「バッテリーの日」とされています。1985年に電池工業会(当時の日本蓄電池工業会)が「カーバッテリーの日」として制定し、その後で1991年に「バッテリーの日」と名称が変更になりました。

野球の守備位置を表す番号でピッチャーは「1」キャッチャーは「2」です。バッテリーの番号であるこの「1」と「2」を合わせると「12」になります。このことから「12月12日」がバッテリーの日になったと言われています。

ちなみに、バッテリーの日の約1ヶ月前の「11月11日」は、電池の日に制定されています。漢数字の十と一がプラスとマイナスになることからこの日になりました。11月11日から12月12日は「電池月間」になります。

最優秀バッテリー賞(日本プロ野球)

最優秀バッテリー賞とは、日本プロ野球の選手表彰の一つです。その年のセパ両リーグの中で最も優秀なバッテリーを各1組づつ、12月12日(バッテリーの日)に選考し、その表彰を行っています。

1991年に始まりましたが、その年の受賞者はヤクルトの西村/古田、西武の工藤/伊東です。その他にも1994年の巨人の桑田/村田、1996-1998年3度受賞の西武の西口/伊東、1998年ベイスターズの佐々木/谷繁、など多くの名投手、名捕手の名が刻まれています。


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