「雑言」とは?意味や使い方をご紹介

「雑言」という言葉を、見たり聞いたりしたことはありますか?会話で耳にすることはあまりないかもしれませんが、小説やネット記事などで見かけることはあるかもしれません。ここでは「雑言」の読み方や意味、使い方、ニュアンス、慣用的な四字熟語についてご紹介します。

目次

  1. 「雑言」とは
  2. 「雑言」の使い方
  3. 「雑言」を使用した四字熟語
  4. 仏教の十悪のひとつが「悪口」

「雑言」とは

「雑言」の読み方

「雑言」は「ぞうごん」または「ぞうげん」と読みます。読み方が2つあるのは、漢字の音読みに、漢音(かんおん)・呉音(ごおん)・唐音(とうおん)などいくつかの種類が存在するためです。

同じ漢字を使用しても音読みが異なるのは、日本に伝えられた時代や元となる中国語の方言の違いによるものです。一番古いものが呉音で、仏教用語に多く用いられているのが特色です。「言」の字は、呉音読みでは「ごん」、漢音読みでは「げん」となります。

「雑言」の意味

「雑言」は、相手をさまざまに悪く言うこと。また、その悪口の言葉を指します。ちなみに、「ざつごん」と読んだ場合は、漢詩の一種「雑言体(ざつごんたい)」の略となりますが、ここでは、悪口の意の「雑言(ぞうごん・ぞうげん)」について詳しく解説していきます。

「雑言」の使い方

まずは、「雑言」を使った文章についてみてみましょう。

  • 虫の居所が悪かったのか、ホームで乗客が駅員に雑言を浴びせていた。
  • 彼女の雑言は止まらず、ただ黙って聞いているしかなかった。
  • 雑言が飛び交いあううち、喧嘩はさらにエスカレートした。

「雑言」のニュアンス

日常、ちょっとした陰口や悪口を言ってしまうことはあると思いますが、例えば「あの人は、ちょっと出しゃばりすぎだ」と、ひとこと言うような悪口と「雑言」には少し違いがあります。

「雑言」の場合は、ただポツンと相手への悪口を言うのではなく、色々な悪口をいくつも言うニュアンスが込められています。

また、勢いででたらめなことを言うといった意味合いも含まれているため、冷静な態度で相手を批判するような悪口を表わすのには、あまり適していません。続けざまに酷い言葉を繰り出すイメージが「雑言」です。

「雑言」を使用した四字熟語

「雑言」とセットになり、四字熟語としてよく使われる言葉があります。


どちらも、言いたい放題さまざまな悪口を並べたてることです。「悪口」も「雑言」と同じ意味合いのため、「悪口雑言」と類似した語を2つ重なることで、より意味を強調する四字熟語になっています。

また、「罵詈雑言」は、「罵」も「詈」も「ののしる」「けなす」という同じような意味を表わす漢字で、悪口を口汚くののしるといったニュアンスが加わります。

このように、「雑言」という言葉にプラスされ「悪口雑言」や「罵詈雑言」となると、さらに強い表現になることを押さえておくといいですね。使い方は「雑言」と同じで、「悪口雑言が飛び交う」「罵詈雑言を浴びせる」のように使います。

仏教の十悪のひとつが「悪口」

「悪口雑言」や「罵詈雑言」の類語として、「悪口罵詈」というものがあります。読み方は「あっこうばり」や「あっくめり」で、もともとは仏教語になります。

「雑言」の意味ともなる「悪口」ですが、仏教の十悪の一つとされていて、嘘をつく・二枚舌を使う・無駄口を叩くといった、罪悪に並ぶもの、してはいけないこととして戒められていました。日本人が、古くから悪口というものに向き合ってきたことがうかがえます。


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