「凄惨」とは?意味や使い方をご紹介

「凄惨」という言葉をご存じでしょうか。日常生活で使う機会は少なめかと思いますが、刑事ドラマなどでは「凄惨な事件」や「凄惨な現場」のような台詞をよく耳にします。ここではそんな「凄惨」の意味や使い方などを、関連する言葉も含めて、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「凄惨」の読み方
  2. 「凄惨」の意味
  3. 「凄惨」の使い方
  4. 「凄惨」に関連する言葉
  5. 英語表記について

「凄惨」の読み方

まず「凄惨」は、「せいさん」と読みます。訓読みに関して、「凄」は「すご(い)」と読まれることも多いですが、実は「すご(い)」は表外読みです。「惨」は訓読みで「みじ(め)」と読み、表外では「むご(たらしい)」などの読み方があります。

「凄惨」の意味

「凄惨」とは、目を背けたくなるくらい痛ましことや、ひどくむごたらしいこと、その様子を表します。上述の表外読みを踏まえて、「凄く惨たらしい」ということです。

意味が意味なので、人によって不気味というか、怖いイメージを受ける方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに「凄」の字は、すごいの他にも、ぞっとするなどの意味を持っています。「惨」の字は、心が痛むなどの意味を持っています。

「凄惨」の使い方

「凄惨」は形容動詞に分類され、形容動詞とは何かの性質や状態を示す役割などを持ちます。ここでの性質や状態とは、むごたらしいことや痛ましいことですね。

つまりむごたらしい事柄、痛ましい事柄と一緒に使うと、意味するところが伝わりやすいかと思います。何が痛ましいのか、ということです。

使い方としては「凄惨な〇〇」、「凄惨たる〇〇」、「凄惨を極める〇〇」などの表現があります。

例文①

【例:凄惨を極める事故の現場】

ここでの「凄惨」はその現場を示していて、極めるなので、「ものすごく痛ましい、むごたらしい事故の現場」という意味です。この例文の場合は、悲惨なニュアンスが強めに伝わるかと思います。

例文②

【例:AとBの、凄惨な戦い】

こちらはその二人の戦いが痛ましい、むごたらしいことを意味しています。お互いに容赦がないような感じです。

この例文も悲惨なニュアンスを含んでいますが、それに加えて無慈悲のようなニュアンスも伝わるかと思います。ちなみに無慈悲とは、思いやりの心がないことなどを表します。事故の現場を示す「凄惨」とは、ほんの少しニュアンスが違っていますね。

「凄惨」に関連する言葉

「凄惨」に関連する言葉には、「酸鼻」、「惨烈」、「無残」、「陰惨」、「醜悪」などがあります。

「酸鼻」について

「酸鼻(さんび)」とは、ひどく心を痛めて悲しむことや、むごたらしく痛ましいこと、その様子を表します。この言葉には、鼻に酸=痛みを感じて涙が出る、というような意味が含まれています。

使い方としては「凄惨」と似た感じで、「酸鼻な事件」や「酸鼻を極める〇〇」などのように用いられます。「凄惨」との違いは曖昧ですが、含まれている意味(涙が出ること)を踏まえると、上手く使い分けられるかもしれません。

「惨烈」について

「惨烈(さんれつ)」とは、極めてむごたらしいことや、極めて厳しいこと、その様子を表します。この言葉も「凄惨」と似ていて、使い分けが難しいのですが、「烈」の字は激しいなどの意味を持っています。

よってたとえば「惨烈な戦い」でしたら、「凄惨な戦い」と比べて、戦いが激しいニュアンスが強めに伝わるかと思います。

「無残」について

「無残(むざん)」は複数の意味を持っていますが、中でも仕打ちなどが残酷なことや乱暴なことという点が、「凄惨」に通じています。

ただしこの言葉は「彼との仲を無残に引き裂かれる」などのように使われ、意味の通りその仕打ちなどを示すので、「凄惨」とは割とニュアンスが違っています。

「陰惨」について

「陰惨(いんさん)」とは、暗くむごたらしいことや、その様子を表します。この言葉もまた「凄惨」との使い分けが難しいのですが、たとえばその光景が暗い、陰鬱としている場合は、「凄惨な光景」よりも「陰惨な光景」の方が相応しいかもしれません。

「醜悪」について

「醜悪(しゅうあく)」とは、容姿が醜いことや、その行動や心掛けが卑劣で嫌らしいこと、その様子を表します。

この言葉は「醜悪な人間」などのように使われ、たとえば「凄惨な事件」のことを、「醜悪な犯人が起こした事件」と言い換えられる場合もあります。

英語表記について

凄惨は英語表記すると「ghatly」となります。形容詞で、身の毛がよだつほど恐ろしい、ぞっとするという意味です。

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