「天下布武(てんかふぶ)」とは?意味や使い方をご紹介

「天下布武」という言葉は昨今の歴史ブームでゲームや漫画、アニメなどでも多々見かけるようになりましたね。織田信長にまつわる言葉ということはご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、はっきりとその意味をご存じですか?今回は、「天下布武」の意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 「天下布武」とは「天下統一」
  2. 「天下布武」の意味
  3. 「天下布武」の使い方
  4. 「天下布武」まとめ

「天下布武」とは「天下統一」

「織田信長」、その名は、日本の小学生から大人まで知らない人はいないほど有名な歴史上の人物です。そして、「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」と先人が織田信長を例えた川柳がありますが、苛烈な性格だった印象を持たれることも多い人物です。

しかし、様々な史料などから、織田信長とはどのような人物だったのかということについて、多種多様な見解や解釈があるので、映画やドラマに出てくる織田信長も、似ているようですが少し違います。

「天下布武(てんかふぶ)」という言葉は、織田信長が使った言葉で、「天下統一」という意味がありますが、本人と同様に、この言葉の解釈も2つ存在します。

「天下布武」の意味その① ~「徳治主義」~

中国の孔子が編纂したとされる「春秋」の注釈書である「春秋左氏伝」の中にある楚子が言った一節で、「武」の解釈の仕方に由来したものがあります。

その中での「武」の解釈は、「武」という漢字の構成が、「戈(ほこ)」を「止」めるという意味なので、「武」とは、戦を止める、争いごとを止めるということとされています。そして、「武」には、七つの徳があるとされています。

①「暴」を禁じる。
②「戦」を止める。
③「大」を保つ。
④「功」を定める。
⑤「民」を安じる。
⑥「衆」を和す。
⑦「財」を豊にする。

という七徳があり、「武」の最終目的は、「戦争をやめさせて、世の中を平和にし、民を豊かにすることである。」という大きな意味があり、織田信長は「天下に武の七徳を布く!」という意味で「天下布武」を使ったのだという、苛烈さのイメージよりも、むしろ徳を持って治めるという意味の「徳治主義」的な考え方だったという解釈があります。

また、織田信長の教育係であり参謀であった、「沢彦宗恩」という臨済宗の僧がこの意味合いを込めて織田信長に送った言葉とも言われています。

「天下布武」の意味その② ~「武断主義」~

「武」という漢字を象形文字から見た観点で、「戈(ほこ)」と「足跡(進むという意味で)」に分けて考察した際に、「『戈』を持って突き進む。」という解釈があり、「武力を持って、天下を統一する!」という意味で「天下布武」を解釈することもあります。

その解釈も、織田信長の行動にも理由があるのかもしれません。例えば、「一向一揆」に対する徹底的な虐殺であったり、「比叡山延暦寺の焼き討ち」などと、非常に残酷で、家臣に対しても反逆する者がいた際には、冷徹な仕打ちをしたなどという様々な苛烈なエピソードが多々見られるからです。

「天下布武」の意味

「徳治主義」と「武断主義」。どのような考え方で天下を統一するかということで違いが大きく異なりますが、どちらにせよ、「天下布武」は「天下を統一すること」という意味に集約します。

「天下布武」の使い方

「わが社は、織田信長のように『天下布武』を掲げて、この商戦を乗り切ろう!」

ここで、例文の社長さんは、社員に対して、他の会社を押しのけて利益を上げて他社を倒していこう!と言っているのか、その業界のトップに上り詰めて、業界全体を良くしていこう!と考えているのかはわかりませんが、このように使われることがあるかもしれませんね。

もし、皆さんの会社のトップが「天下布武」を引用された場合には、どちらなのか聞いてみても面白いですね。(怒られるか、見識に感服されるかわかりませんが。)

「天下布武」まとめ

ここまで、「天下布武」の意味や使い方について説明してきましたが、解釈の仕方は、おそらく、史実をどのように受け止めるかで変わってきます。その史実の受け止め方で「織田信長」という人がどのような人物だったかの解釈方法が変わり、この「天下布武」の解釈も変わってくるのではないでしょうか。
 

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