「インスタント」とは?意味や使い方をご紹介

「インスタント」という言葉は、「インスタント食品」をはじめとして、身近でよく使われる言葉です。そこで、今回は「インスタント」の意味や使い方について解説しながら、身の回りにある「インスタント」の意味もあわせてご説明します。

目次

  1. 「インスタント」の意味
  2. 「インスタント」の由来
  3. 「インスタント」の使い方
  4. 身の回りの「インスタント」
  5. 「インスタント」のまとめ

「インスタント」の意味

「インスタント(instant)」には次の2つの意味があります。

  1. すぐにでき、手間がかからないこと。また、そのさま。
  2. 「インスタント食品」の略。

「インスタント」の由来

「インスタント」の由来は英語の「instant」で、次のような意味があります。

  • 即時(の)、すぐに、緊急の
  • 瞬間、現在(の)

また、「instant」という単語は、次の言葉の組み合わせで構成されています。
  • 「in」:「中に」「そこに」
  • 「stant」:ラテン語の「stare(立つ)」から変化した「sta」+「いる」を意味する「nt」

「instant」=「傍らに立つ」→「すぐに行動できる状態」→「すぐに」、「即座に」と意味が転じました。

「インスタント」の使い方

  • 使用例1:技術者のインスタントな養成方法なんて存在しない。
  • 使用例2:この店はインスタントラーメンの種類が豊富だ。

身の回りの「インスタント」

「インスタントラーメン」

「インスタントラーメン」に明確な定義はありませんが、一般に「熱湯をかけるか鍋で煮るなどしてスープも同時に調理できる即席ラーメン」を指し、「スープも同時にできる」点が他の乾麺と大きく異なる違いと考えられています。

インスタントラーメンの発明者については異論も存在しますが、日清食品によれば「1958年に創業者の安藤百福が発明した」とされています。また、世界初のインスタントラーメンは、1958年8月に発売された「チキンラーメン」と言われています。

2018年10月~2019年3月に放送されているNHKの朝の連続ドラマ『まんぷく』は、安藤百福をモデルとした物語です。

「インスタントコーヒー」

「インスタントコーヒー」とは、「コーヒー豆の抽出液を乾燥させて粉末状にしたインスタント食品」のこと。湯を注ぎいれるだけでコーヒーが完成します。

インスタントコーヒーの製法として、抽出液を粉末化するのが一番簡単ですが、加工過程で味や香りが損なわれやすいため、それらを維持するための技術改良が積み重ねられて今日の「インスタントコーヒー」に至りました。

「インスタント写真」

「インスタントカメラ」とは、「撮影直後に自動的に現像を行う写真フィルムを使ったカメラ」のことです。「レンズ付きフィルム」を指すこともありますが、これは誤用とされています。

アメリカのポラロイド社が「インスタントカメラ」の原理を開発・発売したことから、「ポラロイドカメラ」は「インスタントカメラ」の代名詞となり、「ポラロイドカメラ」、「ポラロイド」、「ポラ」とも呼ばれています。

他社からも「インスタントカメラ」が発売されており、日本の富士フィルムからは「フォトラマ」やその技術を受け継いだ「チェキ」シリーズが発売されています。

「インスタントカメラ」は撮ったその場で写真を見ることができるというのが最大のメリットです。しかしデジタルカメラが普及してからは、即時性や改竄防止性が求められる犯罪捜査や医療分野などの一部の分野を除いて需要が減っています。

「インスタント写真」

「インスタントカメラ」で撮影した写真が「インスタント写真」です。「ポラロイドカメラ」が「インスタントカメラ」の代名詞となったように、「インスタント写真」のことも「ポラロイド」、「ポラ」と呼ばれることもあります。

また、写真共有アプリケーション「インスタグラム(Instagram)/インスタ」の写真が正方形を基本としているのは、ポラロイドのインスタントカメラや、コダックのインスタマチックをリスペクトした結果と言われています。

インスタントメッセンジャー

「インスタントメッセンジャー(Instant Messenger/IM)」とは、「通信ネットワークを介して、リアルタイムに短いメッセージのやり取りができるソフトウェアのこと」です。

当初は、同じソフトウェアの利用者の中から登録した「友人」の間で、状態表示や短文のやり取りを行う簡易的なシステムでしたが、ファイルの添付、音声やビデオ通話など機能が拡張するにつれて、チャットシステムやインターネット電話、SNSアプリとの境界が曖昧になりました。

日本では、1990年代後半に「Yahoo!メッセンジャー」などが広まり、2000年代半ばになると「Skype」や、Windows付属の「MSNメッセンジャー」などが台頭しました。2010年代にはスマートフォンの普及により「LINE」などのアプリ、「Twitter」のDMや「Facebook Messenger」などの機能が利用されるようになりました。

なお、携帯電話の加入者同士で短文を送受信できるSMS(ショートメッセージサービス)は、別の技術基盤に基づくものなので、インスタントメッセンジャーとの互換性はありません。

「インスタント」のまとめ

「インスタント食品」や「インスタントカメラ」など、身近な「インスタント」を見ていくと、「インスタント」を実現するために、様々な技術が発明、開発されていることが分かります。

手間がかからないと味気ないと感じることもありますが、即時性を求めることは人が技術を探究していく上での大きなモチベーションとなっているのでしょう。


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