「陽」とは?意味や使い方をご紹介

子供の名前にもよく使われる「陽」という字。この字は太陽の意味ももちろんあります。しかし、漢字の成り立ちは「日なた」です。また、陰陽説にも関係しており、非常に多くの意味を持っています。使い分けやことわざを含めて紹介します。

目次

  1. 「陽」という漢字の意味
  2. 「陽」と名前
  3. 「陽」と「日」
  4. 陰陽説で見る「陽」
  5. 「陽」のつくことわざ

「陽」という漢字の意味

「陽」は「ひ」や「よう」と読みます。太陽の当たる場所、つまり日なたという意味の漢字です。こざとへんが丘、作りは太陽が昇っていくことを表しています。

太陽そのものを表すこともあり、そこから高くて大きい、清い、貴いなどの意味も含みます。

「陽」と名前

ベネッセコーポレーションが2018年11に発表した「たまひよ名前ランキング」によると女子の1位は「陽葵(あかり)」だそうです。2位は「莉子(りこ)」です。男子は1位が「蓮」で、2位は「陽翔(はると)」でした。このように「陽」は人の名前によく使われます。

名前は様々な思いを込めて付けられますが、「陽」にはどのような気持ちがこもっているのでしょうか。次のように語られることがあります。

太陽のように明るく輝いてほしい

まず、太陽のように明るく輝いてほしい。あるいは温かく優しい人になってほしい。太陽のイメージそのままに元気で優しい子に育っていてほしいという願いですね。

豊かで実り多い人生を歩んでほしい

次に、豊かで実り多い人生を歩んでほしいというもの。動物も植物も生きていくのに太陽が必要です。太陽の当たる場所はそれだけ自然の恵みが豊かな場所。そんな風に満ち足りた生き方をしていってほしという気持ちです。

誠実で貴い人になってほしい

そして、誠実で貴い人になってほしいという願いが加わることもあります。「陽」には清らかさや貴さがありますから、こういった願いも自然ですね。

「陽」と「日」

時折頭を悩ませる「陽」と「日」の違い。どちらも太陽を指すので、何かと紛らわしいですよね。実際、「日」は太陽を指す一番シンプルな漢字です。そして、「陽」にも太陽という意味もあります。しかし、袖にお伝えしてきたように、「陽」は太陽そのものよりもその恵み、その輝きに注目した言葉です。

陰陽説で見る「陽」

陰陽説という思想をご存知でしょうか。古代中国で生まれた思想で、万物すべては「陰」と「陽」の2種類の気(エネルギー)からなるという思想です。漢方や薬膳など東洋医療にも影響を与えました「陽」という字の意味はこの陰陽説からとられているところが多くあります。

「陽」と「陰」は対になっているので、どちらか一方だけで存在しません。また、西洋の「善」と「悪」のように片方が悪いという考え方もしません。ただ、分けられるだけです。

「陽」は明るさや温かさ、広がりなどの性質があります。一方、「陰」は暗さや冷たさ、動きのなさなどです。いくつか紹介しましょう。

「陽」の性質

  • 日光
  • 動物
  • 男性
  • 活発
  • 膨張

「陰」の性質

  • 月光
  • 植物
  • 女性
  • 緩慢
  • 収縮

「陽」のつくことわざ

陽気発するところ金石もまた透る

「陽気発するところ金石もまた透る」は「ようきはっするところきんせきもまたとおる」と読みます。「陽気」は上記の陰陽説通り、活発で動かそうとするエネルギーです。今でいうところのやる気ですね。

金石は金属や石など硬いもののたとえです。透るは貫くという意味があります。よって、やる気になれば石にだって穴をあけられる。できないことはないという意味になります。

日の照っているうちに干し草を作れ

「日の照っているうちに干し草を作れ」とはチャンスは逃さずに活用しなさいという意味です。干し草は太陽が出ている時にしか作れません。

陽が沈んでから作ろうとしても間に合いません。できる時にやりなさいと助言しているのです。類義語に「好機逸するべからず(こうきいっするべからず)」があります。

陰徳あれば必ず陽報あり

「陰徳あれば必ず陽報あり」とは人目につかなくてもよい行いには良い報いがあるという意味のことわざです。陰徳はかげでする徳のある行動、陽報はよい報いです。類義語は「積善の家には必ず余慶あり(せきぜんのいえにはかならずよけいあり)」があります。


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