「滾る」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「滾る」という言葉をご存じでしょうか。読み方は「たぎる」です。小説や漫画などで目にしたことがある表現かもしれません。とくに、白熱した場面で使われることが多いです。この記事では、「滾る」の意味や適切な使い方、類語も交えて詳しくご紹介します。

目次

  1. 「滾る」とは
  2. 「滾る」の例文と使い方
  3. 「滾る」の類語
  4. 「燃え滾る」は間違い?
  5. 「滾々」とは

「滾る」とは

「滾(たぎ)る」は、3つの意味を持つ言葉です。「水が逆巻いて激しく流れること」「煮えたつ」、そして「激しい感情が沸きあがる」です。「激る」とも書きます。

「滾」は「コン」とも読みます。「水の盛んに流れるさま」や「湯が沸き返るさま」を表すほか、「ころころと転がるさま」という意味もあります。

「滾る」の例文と使い方

  • 川がどうどうと滾るように流れている。深夜に大雨が降ったようだ。
  • ついうっかり鍋から目を離し、味噌汁が煮え滾ってしまった。
  • 彼の物言いに、滾るような怒りを感じた。
「滾る」は、感情が昂(たかぶ)って抑えきれないさまも表します。「イライラした」「ムカッとした」よりも、本気で腹が立っていることが伝わります。

「滾る」の類語

「渦巻く」

「渦巻く」とは「水などがらせん状に回る」ことです。「渦」という漢字は、「らせん状に巻き込んでいく水や空気の強い流れ」という意味を持っています。

また、「なかなか抜け出られない混乱した状態」という意味でも使われます。「不安が渦巻く」「各々の思惑が渦巻く」などが使用例です。

「煮え返る」

「ぐらぐらと煮えて沸き返る」ことを「煮え返る」といいます。料理の際によく使われますが、「非常に腹が立つ」という感情を表す言葉でもあります。

「はらわたが煮えくり返る」という表現がありますが、これは「煮え返る」を超え、怒りが頂点に達したことを表します。ちなみに、「はらわた」は「性根・精神」のことです。「内臓」や「瓜(うり)などの内部の種を含んだ柔らかい部分」という意味もあります。

「血沸き肉躍る」

「血沸き肉躍る(ちわきにくおどる)」とは「興奮して体中に活力がみなぎること」です。主に、戦いや試合によって興奮させられる際に使われます。

「血」は、「血液」や「血筋」「血統」のことですが、ほかに、「血気」「情熱」など感情を表す言葉でもあります。

「燃え滾る」は間違い?

  • 燃え滾る闘争心
  • 情熱が燃え滾る
「燃え滾る」は炎が勢いよく燃えるような激しい感情を表す言葉ですが、この表現を皆さんはどのように感じるでしょうか。

本来「滾る」は、漢字からも分かる通り、「水」に関する言葉です。炎がわき出たり、逆巻いて流れるというのは矛盾しています。相反するものを一つの表現にまとめるのはおかしいのではないか、という説があるのです。

事実『広辞苑(第四版)』には「煮え滾る」「燃え盛る」「燃え立つ」という慣用句は掲載されていますが、「燃え滾る」の項はありません。

ただ、言葉の意味や使い方は、時代によって徐々に変化していきます。「燃え滾る」が、違和感なく世間に浸透する日が来るかもしれませんね。

「滾々」とは

「滾」の字を重ねた熟語に「滾々(こんこん)」があります。「水などが尽きることなく盛んに湧き出るさま」を表す言葉です。「清水(しみず:透き通ったきれいな水)が滾々と湧く」などと使います。

以下は「滾々」の同音異義語です。

  • 懇々:「相手によくわかるように丁寧に繰り返して言う様子」を表します。「懇」には、「まごころを尽くす」「丁寧」「手厚い」という意味があります。
  • 昏々:「暗いさま」「道理に暗く、愚かなさま」「意識がはっきりしないさま」「よく眠っているさま」と、多くの意味を持つ言葉です。よく「昏々と眠り続ける」など、眠りについて使われます。


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