「施行」とは?意味や使い方を読み方を含めてご紹介

「施行」という言葉。日常生活の中でも見る機会の多い言葉ですが、「しこう」と読んだり「せこう」と読んだり読み方がややこしい言葉の一つでもあります。今回は、「施行」がどのようなときにどのような読み方をするのかを整理しながら、意味や使い方を紹介していきます。

目次

  1. 「施行」の一般的な読み方
  2. 「施行」の法律上、法令上の読み方
  3. 結局のところ読み方はいくつあるのか?
  4. 「施行」の類語
  5. 「施行」を用いる言葉

「施行」の一般的な読み方

「施行」を日常生活の中で用いると、多くが「実際に行うこと、実施」といった意味を表します。この場合における読み方は主に「しこう」です。「試行(しこう)」などと混同するため、たまに「しぎょう」と読む場合もありますが、一般的によく用いられるのはこの読み方です。

「施行」の法律上、法令上の読み方

法律の世界で「施行」というと、主に「法令の効力を現実に発生させること」という意味を持ちます。一般的に言う「施行」とは異なる意味を成すのです。この場合には「せこう」と読む場合もあります。

ちなみに「施行」は「公布」と併せて用いられます。法律上の公布とは「法令・条約の成立やその内容を一般市民に知らせること」という意味を持ち、特に規則がなければ、法律は公布から20日を以て「施行」されます。ここでようやく法律が効力を持つようになるのです。

なぜ「せこう」と読むのか

何故「せこう」と読むようになったのかというと、「執行(しっこう)」という言葉を用いることが多い官公庁が始まりだといいます。「行政執行」や「死刑執行」などの「執行」と法律上の「施行」を紛らわしくさせないために、"しっこう"に対して"せこう"と読むようになったのです。

結局のところ読み方はいくつあるのか?

前記した通り、「施行」には少なくとも"しこう"、"せこう"、"しぎょう"という3つの読み方があるのです。それぞれ用いられる場面がある程度決まっていますが、絶対的な読み方は特にないため、どう読むのかわからくなってしまった場合には「しこう」と読めば不正解ではありません。

また、もう一つの読み方として「せぎょう」というものもあります。この読み方をするときには「功徳のために僧や貧民などに物を施すこと」という意味を持ち、以下のように古典に出てくる言葉です。
 

"沢山なるによつて、施行に引きけるとぞ聞こえし"
平家物語

"しこう"と読むややこしい言葉

"しこう"と読む言葉は「施行」の他にも数えきれないほどあります。思い巡らすという意味の「思考」が一番有名ですが、他にも、工事を行うという意味の「施工」、試しに行ってみるという意味の「試行」などもあります。また、日常ではあまり使うことの少ない言葉ですが、心が一定の目標に向かって働くという意味の「志向」というものもあります。

「施行」の類語

「施行」という言葉には類語も存在します。例えば、実行行為という意味では「実行、実施」、法律を施行するという意味では「適用」という言葉も該当します。また、考えや計画を行動に移すという意味では「挙行、履行、実践」といった言葉が当てはまります。

「施行」の英語表現

「施行」を英語に訳す際にも、一般的な意味と法令上の意味とで異なる単語になります。一般的にいう「実施」という意味で訳す場合には、"operation"となります。この単語は日本では"オペ"というように「手術」といった意味で用いられる場合が多いですが、「実施、施行」のほか「運転、操業、作用」といった意味も持ちます。

一方、法律用語としての「施行」は、"enforcement"という単語になります。"enforce"が動詞として「施行する」といった意味を持ちますので、それを名詞化したものが「施行」という意味を持つのです。ほかにも「強要、強制」といった意味も持ちます。

「施行」を用いる言葉

実施という意味での施行には一緒に用いられる代表的な言葉はあまりありませんが、法令上に言えば、法令の施行にあたり必要な細則を記した規則である「施行規則」やその命令である「施行令」、それが法律となった「施行法」などがあります。


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