「懸命」とは?意味や使い方をご紹介

「懸命」は「力を尽くしてがんばる」という意味です。「一生懸命」という形で好んで使われます。「懸命」は類義語よりも主観的・情緒的な意味合いが強く、字義通りに命を懸けているかどうかよりもそれだけの意気込みで頑張っていることを表します。

目次

  1. 「懸命」とは?
  2. 「懸命」の類義語
  3. 「懸命」を英語で
  4. 「一生懸命」と「一所懸命」の意味を比較
  5. 「懸命」の関連語リンク

「懸命」とは?

意味

「懸命」は「けんめい」と読みます。発音は後半にあり、「件名」や「賢明」などと同じです。

「懸命」は「力を尽くす」「全力で頑張る」という意味です。命を懸けるという漢字の通り、命がけで戦うことに由来する言葉です。

しかし、現在では本当に命を懸けているという意味では使われません。命を懸けているくらいの覚悟や意気込みで努力していることを表すために使われます。

使い方と例文

「懸命」は努力していること、頑張っていることを形容する言葉です。特に、全力や命がけという言葉がふさわしいほどその程度が甚だしい場合に使われます。好意的な表現で、応援やねぎらい、決意表明にも使われます。

【使用例】

  • これまで懸命にこらえてきた。もうすぐその努力が報われる。
  • 懸命の努力が実り、彼は同期の誰よりも早く昇進した。
  • 「まだ若輩者ではありますが、先輩方に追いつくために誠心誠意、懸命な努力を尽くして頑張ります。」

「懸命」の類義語

「必死」

「必死」は「必ず死ぬこと」や「死ぬ覚悟で頑張ること」を意味します。「懸命」とほぼ同じ意味なので、基本的には入れ替えて使うこともできます。

「懸命」がフォーマルな場で好まれる表現であるのに対し、「必死」はカジュアルな場面でも使える使用範囲の広い言葉です。

「死にもの狂い」

「死にもの狂い」もまた「死をも恐れずに努力すること」を表す言葉です。「懸命」や「必死」と異なり追い詰められ切羽詰まった局面でのみ使われる言葉です。

「捨て身」

「捨て身」「体当たり」は身体を犠牲にする、身を投げうつような覚悟で取り組む様子を表します。

「粉骨砕身」

「粉骨砕身(ふんこつさいしん)」は骨を粉にし、体を砕く程の覚悟や勢いで努力することを表します。

出典は『禅林類聚(ぜんりんるいじゅう)』という元の時代に書かれた中国の禅師の本です。「砕身粉骨」や「粉身砕骨」と書かれることもあります。

「懸命」を英語で

「懸命」を英語で表すともっともシンプルな表現は「hard」です。「熱心な」、「勤勉な」という意味です。詩的な表し方をすると「heroic」となります。「英雄的な」、「大胆な」などの意味です。

また、「like mad」という熟語でも「懸命」は表せます。こちらは「狂ったように」が直訳です。どちらかというと「死にもの狂い」に近い言葉でしょうか。

「一生懸命」と「一所懸命」の意味を比較

「懸命」のつく四字熟語には「一生懸命」「一所懸命」があります。現在ではどちらも同じく「命がけで努力すること」という意味です。しかし、その由来を紐解くと現在とは異なる意味合いが見られます。

一所懸命

中世の時代、鎌倉時代には幕府と武士は御恩と奉公の関係で結ばれていました。武士たちの活躍に対して土地を報酬として与える関係です。この主より与えられた領地を「懸命の地」と呼ぶこともあります。

武士たちは自分たちの所有する土地で得られる農作物で生活していました。土地が荒らされたり、外敵が侵入すれば一大事です。そのため命がけで自分たちの土地を守っていました。これが一つの場所を守る、「一所懸命」の由来です。

一生懸命

「一生懸命」は「一所懸命」が変化してできた言葉です。現在ではこちらの方が一般的です。

「一生懸命」に使われる「一生」は、「一生のお願い」や「一生の不覚」に使われる「生まれてから死ぬまでにたった一つだけ」という意味の語です。

「一生懸命」は本来、「これほどまでに命がけで何かに打ち込むことは一生に一度しかない」や、「生涯で最も努力している」という意味です。

「懸命」の関連語リンク

こちらの記事でも「一生懸命」や「一所懸命」について説明しています。

「一所懸命」の意味とは?「一生懸命」との違いを含めてご紹介
「一生懸命」とは?意味や使い方をご紹介

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