「すこぶる」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「すこぶる」という言葉をご存じでしょうか。「すこぶる元気」「すこぶる楽しい」など、わりと耳にするのではないでしょうか。しかし、その意味を正しく理解している方は少ないかもしれません。この記事では、「すこぶる」の二つの意味や使い方など詳しくご紹介します。

目次

  1. 「すこぶる」とは
  2. 「すこぶる」を漢字で書くと
  3. 「すこぶる」の例文と使い方
  4. 「すこぶる」の類語

「すこぶる」とは

「すこぶる」とは、「たいそう」「非常に」など、ものごとの程度を表す言葉です。もともとは、「少しばかり」という反対の意味を持っていましたが、中世(日本では鎌倉・室町時代を指す)以降に変化したといわれています。

「すこぶる」の「すこ」は、「少し」を表します。また、「ぶる」は、「いかにもそれらしい様子をする」「様子をまねる」という意味です。「大人ぶる」「えらぶる」などが例です。

「すこぶる」を漢字で書くと

「頗」について

「すこぶる」は、漢字で「頗る」と書きます。「頗」は、音読みで「ハ」となります。「頗」には、前述したように「少し」と「非常に」の両方の意味があります。

さらに、「偏る」という意味も持っています。「偏る」のなかには、「不公平」「曲がる」「よこしま(正しくなく道理にはずれているさま)」「片手落ち(全体への心配りに欠け、処置や配慮が不十分であること)」の意味も含まれています。

「頗」が含まれる言葉

「頗」を使った熟語に、「偏頗(へんぱ)」というものがあります。意味は、「偏って不公平なこと」です。私たちの日常会話では滅多に使われないかもしれません。「―な考えだ」「―な扱いはよくない」など、論文や小説などの文章に見られる言葉です。

ほかにもいくつかご紹介します。
 

  • 贔屓偏頗(ひいきへんぱ):「えこひいき」を表す四字熟語です。「贔屓」は、「気に入ったものにとくに目をかけて、便宜をはかること」という意味です。
  • 頗梨(はり):「水晶」のことです。水晶は仏教でいう七宝のひとつで、無色透明の六角柱状の結晶です。アクセサリーにもよく使われますね。不純物が混じると、黒水晶や紫水晶になります。「玻璃」とも表します。

「すこぶる」の例文と使い方

  • 心配しないで。僕はすこぶる元気だ。
  • 今日はすこぶる体調が悪い。残業続きで疲れがたまっているのだろう。
  • ここのお肉はすこぶる美味しいと評判だ。

このように、「すこぶる」は「程度」を表すため、ものごとの良し悪しに関係なくさまざまな場面で使えます。くだけた表現だと、「すごい」「めちゃくちゃ」などがあります。これらは、若者のあいだでもよく使われる言葉なのではないでしょうか。

また、「すこぶる」という言葉が上に付くほどずば抜けていることを、「すこぶる付き」といいます。例えば、「―の美人」「―に難しい問題」などと使います。

「すこぶる」の類語

「格別」

「格別」とは、「状態や扱いが普通とはなはだしく違うこと」という意味の言葉です。「特別」や「とりわけ」ともいいます。また、「例外であること」も表します。それぞれの意味の例文をご紹介します。
 

  • 格別変わったことはないようで、安心した。
  • 熱でもあるなら格別だが、元気なら参加しなさい。

「べらぼう」

「べらぼう」とは、「程度のはなはだしいさま」のほか、「非常にばかげているさま」という意味もあります。「―に重い」「―な(ばかみたいに高価なことを表す)値段だ」と使います。また、「ばか」「たわけ」と同じく、他人をののしる言葉でもあります。

漢字は「箆棒」ですが、こちらは当て字です。「べらぼう」の語源は、ある奇人の存在からきています。江戸時代、見世物小屋に「便乱坊(べらんぼう)」「可坊(べくぼう)」と呼ばれる奇人がいました。

その奇人は非常に醜い姿をしており、さらに、動作も間が抜けていたため、人々の笑いを取っていました。このことから、「べらぼう」は、人をばかにしたり程度が並みから外れていることを表すようになったのです。


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