「寂しい」とは?類語(悲しい・切ない)との違いを含めてご紹介

「寂しい」気持ちになったことのない人はおそらくいないでしょう。しかし、自分の気持ちが類語の「悲しさ」や「切なさ」とどう違うのかと聞かれたら、返答に困るのではないでしょうか。今回は誰もが知っているはずの「寂しい」気持ちを、類語との違いを中心にご紹介します。

目次

  1. 「寂しい」とは
  2. 「さびしい」と「さみしい」
  3. 「寂しい」と「淋しい」
  4. 「寂しい」の類語

「寂しい」とは

「寂しい」には大きく次の3つの意味があります。

  1. 心が満たされない
  2. 頼りになるものがなくて心細い
  3. ひっそりと静まり返っている
「寂しい」はあるはずのものがない、いるはずの人がいないことに対する感情です。「寂しい街」なら、あるはずの人の気配や物音がない街並みです。「寂しい夜」なら一緒に過ごしてくれるはずの家族や友人、恋人がいない夜です。

「さびしい」と「さみしい」

「寂しい」には読み方が2つあります。「さびしい」と「さみしい」です。現在ではどちらも使われますが、元は「さびしい」です。

この「さびしい」が音変化で「さみしい」になったといわれています。そのためか、アナウンサーなどは「さみしい」を使わず「さびしい」で統一しているようです。

「寂しい」と「淋しい」

また、「寂しい」には漢字も2種類あります。「寂しい」と「淋しい」です。現在ではどちらも同じ様に使われています。しかし、この2つの漢字は異なる由来を持っています。

「寂しい」は「侘び寂び(わびさび)」の「寂び」に由来します。「寂び」は枯れた趣を表す言葉です。そのため、「寂しい」は静かで物悲しいことを表す表現と言えます。

「淋しい」の由来は水の流れる様子です。雨が滴り落ちる様に涙が出ることを表します。ここから、涙が出るほどの悲しさや人恋しさを示す言葉になりました。

また、「寂しい」は常用漢字ですが、「淋しい」は常用漢字外という違いもあります。とはいえ、現在では区別なく使われることがほとんどです。本稿では常用漢字の「寂しい」に統一します。

「寂しい」の類語

「悲しい」

「悲しい」は元は恋しい、素晴らしい、心苦しいなど感動を表す言葉でした。しかし、現代では心が痛む、涙が出そうといったことについてのみ使われます。

「寂しい」との大きな違いは、「寂しい」があるはずのものがない、いるはずの人がいないことへの孤独感や喪失感であるのに対し、「悲しい」は望まない、好まない、避けたいことがある状態に対して胸が痛むのを指すことです。

「切ない」

「切ない」は胸が苦しく、締め付けられる様な気持ちです。自分のつらい気持ちを持て余し、どうにか解消したいのにどうにもならない遣る瀬無さを表します。

「切ない」は単独で存在することはなく、他の感情に連鎖して現れます。「寂しさ」や「悲しさ」が先立ち、後から結果としてついてくるのが「切なさ」です。

侘しい

「侘しい」は頼りになるものが何もなく、みじめで情けないことに対する気持ちや趣です。「寂しい」との違いはみじめさやみすぼらしさ、貧しさを含んでいることです。また、「侘しい」は主に物質的な不足を表します。

また、「寂しい」が基本的に否定的な意味であるのに対し、「侘しい」は必ずしも否定的とは限りません。貧しいけれどそこに風情を感じることもできます。しかし、どんなに豊かでも満たされないのが「寂しさ」です。

空しい

「空しい」には頼りにならず価値や結果が伴わない、あっけないなどの意味があります。

「寂しい」が人がいない、あるいは物がないなどの孤独感に対して使われるのに対して、「空しい」は満足感や達成感など自分に入ってくるはずの感情が入ってこないことや実感がわかないことに対して使われます。

また「虚しい」の字が使われることもあります。本来「虚しい」は得たものに価値を感じないこと、「空しい」は空っぽで何も得られないことを表しますが、現在ではほぼ区別なく使われています。


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