「五臓六腑に染み渡る」とは?意味や使い方をご紹介

「五臓六腑に染み渡る」の「五臓六腑」は内臓すべてや体中という意味です。なので「五臓六腑に染み渡る」は体全体にいきわたるという意味です。ところでこの「五臓六腑」の内臓にはある臓器がないのです。今回はそんな「五臓六腑に染み渡る」を紹介します。

目次

  1. 「五臓六腑に染み渡る」とは
  2. 「五臓六腑」とは
  3. 「五臓」とは
  4. 「六腑」とは
  5. 「五臓六腑に染み渡る」の特殊な用法
  6. 「五臓六腑」と五行説
  7. 「五臓六腑」と七情

「五臓六腑に染み渡る」とは

「五臓六腑(ごぞうろっぷ)に染み渡る」とは体の隅々にいきわたる、という意味の成句で、主に次の三つの場面で使われます。

  1. 美味しい食べ物や飲み物を摂取した時
  2. 寒い日に温かいものを口にした時
  3. お酒を飲んだ時

「五臓六腑に染み渡る」の例文

  • 五臓六腑に染み渡るような美食に舌鼓を打つ。
  • 寒空の下で飲むコーヒーの熱が五臓六腑に染み渡る。
  • まるで五臓六腑に染み渡るような美酒でした。
いずれの例も、口にした際の喜びが察せられますね。「五臓六腑に染み渡る」とは、美味なものや渇望していたものを口にしたときの満足感を、「まるで(飲食物が)体の隅々に染みこんでいくようだ」とたとえた言葉なのです。

「五臓六腑」とは

「五臓六腑」とは東洋医学の言葉で、五臓と六腑すべての総称です。ここで五臓や六腑と呼ばれているのは、西洋医学で言うところの内臓に当たります。

ただし、東洋医学では西洋医学とは内臓の分類や言葉の使い方が違ってきます。西洋医学では内臓を物質として分けますが、東洋医学では機能で内臓を分類します。

そのため、内臓すべてというのが元々の「五臓六腑」の意味です。そこから転じて、現代では体全体や全身を指す言葉となりました。また、場合によっては心の中まで意味することもあります。

「五臓」とは

では、「五臓」とは何を指すのでしょうか。「臓」は中に血液が溜まっていて、重要な役割を担っている臓器のことです。「五臓」と呼ばれるのは、心、肺、脾、肝、腎の五つです。

膵臓(すいぞう)は胃の後ろにあることや細長い形状などから、当時は臓器とは認識されていませんでした。そのため、膵臓のことを「忘れられた臓器」と呼ぶこともあります。

「六腑」とは

「六腑」もまた、西洋医学とは異なる概念です。「腑」は中身が詰まっていない臓器を指します。「六腑」と呼ばれるのは大腸、小腸、胃、胆、膀胱、三焦の六つの臓器のことです。

なお、三焦(さんしょう)については不明瞭で諸説あります。体を温めるため熱を出す働きがある。あるいは消火や排泄を司るとされています。実態はリンパ腺、あるいは膵臓となるようです。

また、具体的な臓器のことではなく、胸、上腹部、下腹部という胴体の分け方のことであるという説もあるようです。

「五臓六腑に染み渡る」の特殊な用法

これまで見てきたように「五臓六腑に染み渡る」は本来食べ物や飲み物が体中にいきわたるという意味です。しかし、近年では相手の気持ちや言葉がありがたいという意味でも使われています。

本来なら「心にしみる」と表すべきなのですが、若年者を中心にこの用法が広まっています。もっとも、「五臓六腑」が本来の意味を離れて心の中までも表す言葉となっているので、これはこれで大きな違いはないのかもしれませんね。

「五臓六腑」と五行説

「五臓六腑」は五行説にしたがって作られた概念です。五行説とは、「万物は水、土、金、火、木の五つの要素に分けることができ、互いに影響しながら循環している」という思想です。

「五臓」が五つに分けられているのもこの五行説に即しているためです。「六腑」も五つに分かれます。その場合、なぜか三焦が除かれることになります。

「五臓六腑」は互いに影響を与え合いながらバランスを取っているというのが東洋医学の考え方になのです。

「五臓六腑」と七情

東洋医学では人間のストレスを七つに分け、七情と呼んでいます。それぞれ、喜、怒、憂、思、悲、驚、恐です。この思想に照らし合わせると、これらのストレスは「五臓」と密接に関連しており、ストレスの種類によって影響を受ける臓器も変わってきます

例えば、喜は心と関連しています。喜びによるストレスがある場合、楽しさのあまり興奮している時などは心臓の拍動が早まります。

また、悲と憂は肺と関係があります。悲しみのあまり声が出なくなってしまったり、不安からため息をついてしまったりします。


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