「類友」とは?意味や使い方をご紹介

会話の中で「類友」という言葉が出てきたことはありませんか? なんとなく意味は知っているけれど、その意味を深く考えたことはないという人は多いのではないでしょうか? ここでは「類友」の意味を改めて確認するとともに、その心理学についても考察してみましょう。

目次

  1. 「類友」の意味
  2. 「類友」の語源
  3. 「類友」と心理学
  4. 「類友」と自己啓発
  5. 「類友」と似た意味の言葉 反対の意味の言葉
  6. 「類友」の他の国での言葉
  7. 「類友」の例文

「類友」の意味

「類友」とは「類は友を呼ぶ」の省略語です。

意味は「同じタイプの人は集まりやすい」ということで、同じ趣味の人たち、似たような考えを持つ人たちに対して使います。

いい意味としても使われますし、悪い意味では皮肉としても使われます。

また、江戸時代の浮世草子「好色二代男」に「類友」という言葉が出てきますが、こちらは「るいゆう」と読みます。

時々、「類は類を呼ぶ」というのを聞きますが、これはことわざとしては間違いです。

「類友」の類義語に「類は類を呼び、友は友を呼ぶ」という言葉があるので、混同したものと思われます。

「類友」の語源

「類友」(類は友を呼ぶ)の語源は古代中国、周の時代のの書物、易経のひとつ「繋辞伝」に出てくる「類は友を以て集める」という言葉だと言われています。

「良い方向、悪い方向に向かうものは自然と集まりあう。人も物も、善いもの悪いもの同志が集まり群れを作る。だから易の卦に吉と凶が生まれる」
という考え方が由来となっています。

しかし、「類友(類は友を呼ぶ)」という言葉が日本で使われるようになったのは明治時代から昭和初期にかけてです。

それ以前の江戸時代では「類を以て友とす」「類を以て友を引く」など、同じ由来の似た言葉がたくさん使われていました。
 

「類友」と心理学

人の行動に関することわざですが、これは行動心理学のひとつ、「類似性の法則」で説明できます。

「類似性の法則」とは

「類似性の法則」とは、人は自分と似たものに好感をもつという心理です。

人は、自分と似ている人に対して好意を抱きやすくなります。

そして、人は互いの類似点が多く、程度が近いほど相手を好意的に思うようになります。

例えばその共通点に対して「好きか嫌いか」、「どこが好き(嫌い)なのか」「どのくらい好き(嫌い)なのか」などが共通するほど、友好度は大きくなるのです。

例をあげると、「映画が好き」「○○監督の映画が好き」「○○監督の映画が好きで、新作はいつも仕事を早めに切り上げて公開初日に見に行く」では

「映画が好き」な人同士よりも「○○監督の映画が好き」で、「新作はいつも仕事を早めに切り上げて公開初日に見に行く」人同士のほうが友好度は大きくなります。
 

なぜ類は集まるのか

ではなぜ、同じ趣味・思考を持った人たちは集まりやすいのでしょうか。

もちろん、共通の趣味について話ができるというのはとても楽しいことです。しかし、それだけが理由ではありません。

自分と同じ趣味、思考を持っていると、相手の好き嫌いや行動をなんとなく予測することが容易になるのです。

なんとなくでも予測できれば、うっかり相手を怒らせたり不快にさせることが減り、良好なコミュニケーションをつづけることができます。

そして、同じ趣味・思考を持っているということは、自分と似ているということです。自分と似ているということは、自分を肯定してくれる確率が高いということになります。

基本的に、人は自分を肯定してくれる人に好意をもちます。自分を肯定されることで、人は自分が認められたと感じ、安心することができるのです。

「類友」の集まりは、コミュニケーションがとりやすく一緒にいることで安心することができる集まりなのです。


 

「類友」と自己啓発

「類友」と一緒に、「引き寄せの法則」という言葉をよく目にします。

「なりたい自分に近い人のそばにいると、なりたい自分に近づける」というものです。

「なりたい自分に近い人」は、あなたが「なりたい自分になるための行動をしている人、環境を持っている人」です。

そんな人のそばにいるようになれば、自然と自分もその人に付き合って、「理想の自分になるための行動」をとるようになっていきます。

「なりたい自分に近い人」と一緒にいることによって、自分の環境や考え方、行動に、なりたい自分への類似点を増やしていくのです。

これは、ことわざ的には「朱に交われば赤くなる」という状態ですが、この言葉は悪い事柄に対して使うため、「引き寄せの法則」では、良い意味にも悪い意味にも使える「類友」という言葉を使っています。

「類友」と似た意味の言葉 反対の意味の言葉

似た意味の言葉

  • 蛙の子は蛙
  • 似た者同士
  • 牛は牛連れ、馬は馬連れ
  • 同類相求む
  • 類を以て集まる
  • 似たもの夫婦

反対の意味の言葉
  • 同族嫌悪
  • 類を意にす
  • 目糞鼻糞を笑う
  • 呉越同舟

「類友」の他の国での言葉

英語表記

  • Birds of a feather flock togethre.(同じ羽毛の鳥は群がる)
  • It takes a thief to knou a thief.(盗人のことがわかるのは盗人)主に悪い意味で使います。

イタリア語表記
  • Ogni simile ama il suo simile.(類が類を愛する)
  • Dio li fa e poi li accoppia.(神がそれらを作る。そしてそれらを結婚させる。)

フランス語表記
  • Q ui se ressemble s' assembie.(互いに似ている人は、寄り集まる)

「類友」の例文

  • あの人たちは動物好きばかりが集まっている。類友たちだね。
  • 全然性格が違う二人だけど、共通の趣味を持った類友だった。

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