「傀儡」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「傀儡」という言葉をご存じでしょうか。「操(あやつ)り人形」という意味で、読み方は「かいらい」または「くぐつ」です。漢字検定一級の言葉なので、初めて目にする方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、「傀儡」について関連語も含めて詳しくご紹介します。

目次

  1. 「傀儡」とは
  2. 「傀儡師」とは
  3. 「傀儡」の例文と使い方
  4. 「傀儡」の類語

「傀儡」とは

「傀儡(かいらい、またはくぐつ)」とは、「操り人形」のほか、「自分の意志ではなく、人の意のままにあやつられて動く者」という意味もあります。

「操り人形」は「マリオネット」や「パペット」ともいいます。人形芝居に使う人形のことです。手で直接操る手遣い人形と、糸でつって操る糸操り人形とがあります。

人形は自分の意志で動いたり話したりはしません。そのように見えるのは、とても上手に人が操っているからです。皆さんも、テレビや劇場などで、まるで生きているように見える人形を目にしたことがあるかもしれませんね。

「傀儡師」とは

「傀儡」は「傀儡師(かいらいし)」という熟語として使われることが多いと言えます。意味が複数あるので、以下ひとつひとつ紹介します。

職業として

「傀儡師」という職業があります。前述した「傀儡」を操り、それを芸として生業にしていた人たちです。「傀儡回し(くぐつまわし)」や「人形遣い」とも呼ばれました。はっきりとその職業が世の中に認識されたのは、平安時代からといわれています。

人形劇のほか、奇術(現代でいう手品・マジックショー)や剣を使った踊りなど、さまざまな芸を披露していました。女性は「傀儡女(くぐつめ)」とも呼ばれ、遊女のような立ち位置でもありました。

たとえとして

「傀儡師」は、「かげで人を操り、思いのままに動かす者」という意味で、たとえとして使われることもあります。「黒幕」ともいいます。

俳句の季語として

五・七・五の十七音を定型とする短い詩を「俳句」といいます。俳句には、原則として季語を詠み込みます。「季語」とは、季節を表すために句に詠み込むように定められた言葉のことです。「傀儡師」は、冬の季語としても使われます。

その由来は、「傀儡師」が、正月に多くの家を回ったことからきています。人形を用いて、新年を祝う踊りを披露したのです。この風習は、兵庫県の西宮神社が発祥といわれています。

「傀儡」の例文と使い方

  • このまま会社の傀儡として働かされるのは嫌だ。
  • 君は自分の意志というものがないのか。上司から傀儡のように扱われているよ。
  • 自分で考えることが面倒で何でも従っていたら、いつのまにか傀儡になっていた。

このように、「傀儡」は他人のいいように動かされている様子を表します。人間は人形ではないので、「傀儡」のように生きるのは苦痛に感じてしまうかもしれません。

また、政治を表す言葉として「傀儡政権」「傀儡国家」というものもあります。「独立して自国を動かしているように見えて、実は他国に操られていること」という意味です。

「傀儡」の類語

四字熟語

  • 唯々諾々(いいだくだく):「ことの善悪や是非を考えず、ただひたすら他人の意見に従い、人のいいなりになる様子」という意味の言葉です。「唯々」と「諾々」はどちらも「人の言うままになる」ことを表します。
  • 付和雷同(ふわらいどう):「しっかりとした考えを持たず、軽々しく他人の説に同意すること」を表します。雷が鳴ると、万物が同時にこの響きに応じたことが由来です。

熟語

  • 手先:手の先や指先のことですが、「人に使われる者」という意味もあります。「手下」や「手駒(てごま)」ともいいます。
  • 木偶の坊(でくのぼう):「操り人形」のことです。また、「役に立たない人や気の効かない人」をののしっていう際にも使われます。
  • 追従(ついじゅう):読み方によって意味が異なる言葉です。「ついじゅう」は「人の言ったことやしたことのあとにつき従うこと」を表します。一方、「ついしょう」と読む場合は「へつらう」「おべっかを使う」という意味になります。


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