「失敗は成功の母」とは?意味や使い方をご紹介

「失敗は成功の母」は、学校でもビジネスシーンでもよく使われていることわざですね。今回は、「失敗は成功の母」について、「失敗は成功のもと」との違いはあるのか?も含めてご説明するとともに、「母」や「父」を含むことわざもあわせてご紹介します。

目次

  1. 「失敗は成功の母」とは?
  2. 「失敗は成功の母」の類義語
  3. 「失敗は成功の母」の英訳
  4. 「失敗は成功の母」の反対語
  5. 母に関することわざ
  6. 父に関することわざ
  7. 父母に関することわざ

「失敗は成功の母」とは?

「失敗は成功の母」とは、「失敗しても、方法の誤りなど失敗の原因もわかるので、成功に一歩近づくことになる」ということの喩えで、「失敗は成功のもと」と同じ意味です。

「失敗は成功の母」とは、「必要は発明の母」と「失敗は成功のもと」が混同されたのではという意見もありますが、辞書には「失敗は成功の母」も「失敗は成功のもと」に併記されているので、どちらを使っても間違いではありません。

  • 使用例:失敗は成功の母と言うじゃないか、諦めずにもう一度挑戦しよう。

「失敗は成功の母」の類義語

「七転び八起き」

「七転び八起き(ななころびやおき)」は、「何回失敗しても、諦めずに立ち上がる」という意味で、「七転八起/七顛八起(しちてんはっき)」とも表現されます。

ちなみに「七転八倒(しちてんばっとう)」は「転げ回ってもがき苦しむこと」なので、似ているものの全く違う言葉です。

  • 使用例:下を向いている場合ではない。七転び八起きの精神で頑張ろう。

「禍を転じて福となす」

「禍(わざわい)を転じて福となす」は、「降りかかった災難や、陥った不利な状況を利用して、逆に自分の有利になるよう工夫する」ことの喩えで、「災いを転じて福となす」とも表記されます。

  • 使用例:プロジェクトは失敗したが、禍を転じて福となし、そこで築いた人脈を活かして次の事業を成功させた。

「失敗は成功の母」の英訳

  • Failure is the stepping stone to success.」:失敗が成功を教える。
  • He that never did one thing ill can never do it well.」:一度も失敗を経験したことのない者は成功できない。

「失敗は成功の母」の反対語

「二の舞(にのまい)を演じる」

「二の舞(にのまい)を演じる」とは、「前の人と同じ失敗を繰り返すこと」の喩えで、略して「二の舞」とも言います。後述する「轍を踏む」と混同して「二の舞を踏む」という誤用が生まれましたが、誤用があまりに浸透してしまったため、現在は誤用としないという動きもあります。

『二の舞』は、『安摩(あま)』と対をなして舞われる舞楽の曲名。最初の『安摩』で舞人2人が、和紙に抽象的な人の顔を描いた雑面(ぞうめん)を付けた姿で、可笑しくかつ優雅に舞います。

続く『二の舞』では、年老いた男女の面を付けた2人が登場して『安摩』の舞を真似しますが、上手くできずに滑稽なしぐさをします。「二の舞を演じる」はこれに由来しています。

  • 使用例:二の舞を演じないよう、気を引き締める。

「轍(てつ)を踏む」

「轍(てつ)を踏む」とは、「同じ過ちを繰り返す」ことの喩えで、「前車の轍(てつ)を踏む」、「前轍(ぜんてつ)を踏む」とも言います

「轍(てつ/わだち)」は「通り過ぎた車輪の跡」のことで、転じて「先人が通った道」、「先例」を意味していますので、「前車の轍を踏む」を「前者の〜」と書くのは誤りです。

  • 使用例:前任者の轍を踏まないようにする。

母に関することわざ

「お乳母日傘(おうばひがさ)」

「お乳母日傘」は幼児に乳母をつけたり、日傘を差しかけるように「大事に育てること」の喩えです。「乳母日傘(おんばひがさ)」は、これから派生した言い方です。

「孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)」

孟子の故事に由来する、「子どもの教育には良い環境を選ぶことが大切だ」という教訓を「孟母三遷の教え」といいます。「三遷の教え(さんせんのおしえ)」、「孟母三遷(もうぼさんせん)」も同義です。

孟子は幼い頃、墓地の近くに住んでいましたが、葬式の真似をして遊ぶ姿を見た母は、市場の近くに居を移します。ところが、孟子が売買の真似をし始めたので、今度は学校のそばに引っ越しました。すると、礼儀作法を真似るようになったので、教育に最適な場所として安住したのです。

「良妻賢母」

「良妻賢母(賢母良妻)」は「良い妻であり、良い母であること」またはそのような女性を指す、家庭を守る女性を賞賛する言葉ですが、現代の女性には足枷になる言葉かもしれません。

"Necessity is the mother of invention."

"Necessity is the mother of invention."は、冒頭でご紹介した「必要は発明の母」にあたる英文で、日本のことわざの「窮(きゅう)すれば通ず」と同じ意味です。

"Poverty is mother of health."

"Poverty is mother of health."は「貧乏は健康の母」という意味です。金に飽かせての贅沢三昧をしていると健康に悪いので、粗食と摂生を心がけることが大切だという教訓を表しています。日本のことわざでは、「腹八分目に医者いらず」にあたります。

"Variety is the mother of enjoyment."

"Variety is the mother of enjoyment."を日本語に訳すと「多様性は快楽の母」となります。多様であることは楽しいという意味で、「みんな違って、みんな良い」というポジティブなニュアンスで使われます。

父に関することわざ

「父は子の為に隠し子は父のために隠す」

「父は子の為に隠し子は父のために隠す」は「父親が子供の犯した罪を庇い、子供が父親の犯した罪を庇うというように、親子で庇い合うのは道理に反するが、親子の情の現れとしては当然である」、「父子の間では道理よりも情愛が大切」という意味です。漢文表記では「父為子隠 (ふいしいん)」となります。 

「父父たらずと雖(いえど)も子は子たらざるべからず」

「父父たらずと雖も子は子たらざるべからず」は、「父が父の役目を果たさなくとも、子は子の役目を果たさなければならない」という意味です。子は孝養を尽くすべきだという儒教の教えに由来する言葉ですが、封建的すぎて現代の父子の関係には相応しくない言葉かもしれません。

"The child is father of the man."

"The child is father of the man."は日本の「三つ子の魂百まで」にあたることわざで、「大人の性格や人格は子ども時代に形成される」という意味です。

"Like father, like son."

"Like father, like son."は日本語の「蛙の子は蛙」に相当する言葉ですが、「親が親なら子も子だ」という貶し言葉としてだけでなく、「親も素晴らしいが、子も素晴らしい」という賛辞にも使われます。

父母に関することわざ

「経験は知恵の父、記憶はその母」

「経験は知恵の父、記憶はその母」は英語のことわざ「Experience is the father of wisdom and memory the mother.」を訳したもので、「Experience is a good teacher.(経験は良き師である)」と同じ意味です。

「身体髪膚之を父母に受く」

「身体髪膚之を父母に受く(しんたいはっぷこれをふぼにうく)」とは、「頭の先から足の爪先まで自分の体は父母から授かったものだから、大切にしなければならない」という意味です。

「父の恩は山よりも高く母の恩は海よりも深し」

「父の恩は山よりも高く母の恩は海よりも深し」は「父母の恩はこの上なく大きいこと」の喩えです。「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」とも言います。

「失敗は成功のもと」とは?意味や使い方を「七転び八起き」との違いも含めてご紹介

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