「天衣無縫」とは?意味や使い方をご紹介

「天衣無縫(てんいむほう)」は「完璧な様子」あるいは「天真爛漫な様子」を意味する、故事成語です。日常生活で使う機会はなかなかないでしょうが、その由来や使い方を知っていると得するかもしれません。ここでは、具体的な例とともに「天衣無縫」について紹介します。

目次

  1. 「天衣無縫」とは
  2. 麻雀における「天衣無縫」
  3. 東方Projectにおける「天衣無縫」
  4. 「天衣無縫」のもう一つの意味
  5. テニプリにおける「天衣無縫の極み」
  6. 文豪ストレイドッグスにおける「天衣無縫」
  7. 織田作之助の小説『天衣無縫』

「天衣無縫」とは

まずは「天衣無縫」を字面から見ていきましょう。「天衣」とは「天人の衣服」という意味。また、「無縫」とは「縫い目のあとが無い」ということです。

「天衣無縫」の由来

では「天人の衣服には縫い目のあとが無い」ことに、一体どんな意味があるのでしょう。それは中国の古典である『霊怪録』の、こんなエピソードに由来しています。

太原の郭翰(かくかん)が、真夏の庭で天上の織女と出会いました。その衣服に縫った痕跡がないことを不思議に思った郭翰がたずねたところ、天女は「天界の衣には針も糸も使いません」と答えたのです。 つまりそこには、下界の民が着るような着物とは一線を画す、人間の能力を超えた技術が使われていたのです。

「天衣無縫」の意味

この故事から、「天衣無縫」という言葉は、「技巧のあとが見えず自然で、かつ完璧といえるくらい美しいもの(特に詩や文章)」に対して使われるようになりました。

麻雀における「天衣無縫」

麻雀をやったことのある人なら、「天衣無縫」という役があることをご存知でしょう。

これは、別名を「九連宝灯(ちゅうれんぽうとう)」とも言い、一度も鳴かない状態で、「萬子・筒子・索子のいずれか一色で1112345678999の形+同色の牌」を集めてあがった時に成立する役です。

あまりにも難しいあがり方なので「これを出した人は運を使い果たして死ぬ」とさえ言われる手のひとつです。まさに「天衣」の様に完璧な手、という意味で「天衣無縫」と呼ばれているものと思われます。

東方Projectにおける「天衣無縫」

上海アリス幻樂団の「東方Project」には、「天衣無縫」という楽曲が登場します。あきやまうに氏作曲による本曲は、比那名居天子(ひななゐ・てんし)という天女をモチーフとしたキャラクターに関わる曲として使用されています。

「天衣無縫」のもう一つの意味

さて一方、「天衣無縫」には「天真爛漫な様子」という意味もあります

「天衣無縫』の使い方

この場合、「天衣無縫なふるまい」といえば、無邪気で自然、何の飾りもないが、一方で周りを意に介さないところがある、といったような意味になります。(言い方を変えれば、「天然」、「不思議ちゃん」といった風にも捉えられるかもしれません。)

テニプリにおける「天衣無縫の極み」

マンガシリーズ「テニスの王子様」には、「天衣無縫の極み」という技(状態)が存在します。テニスを始めたばかりの「テニスが楽しくてしょうがない」時期に由来するというこの技は、奥義の中の奥義として扱われています。

テニプリ好きなら、「天衣無縫」と聞くと、何よりまず、天真爛漫な主人公「越前リョーマ」とともにこの技を思い出すかもしれません。

文豪ストレイドッグスにおける「天衣無縫」

さて、若い世代の人の中には、「文豪ストレイドッグス」で初めて「天衣無縫」という言葉を目にした、という方もいるかもしれません。この作品の中で「天衣無縫」は、登場人物のひとり「織田作之助(おだ・さくのすけ)」が持つ異能力の名前として登場しています。

ただ、この能力自体は「5秒以上6秒未満の未来を予知する」というもので、原典である「天衣無縫」とはあまり関わりがないようです。

織田作之助の小説『天衣無縫』

元ネタになっているのは小説家・織田作之助(愛称・オダサク)の短編『天衣無縫』です。これは、底なしにのんきでお人好しの男(夫)に振り回される、若い女性の姿を描いた小説です。

オダサクといえば、デビュー作である『夫婦善哉(めおとぜんざい)』においても気ままな夫に手を焼きながらも離れられない妻の姿を描いています。また、当人も太宰治や坂口安吾らとともに「戦後無頼派」と呼ばれた、自由な人でした。

「天衣無縫」な人格について知りたければ、オダサクの小説を読むのが一番の早道かもしれません。


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