「言質を取る」とは?意味や使い方をご紹介

「言質を取る」は、「げんちをとる」と読みますが、聞き慣れない言葉です。意味は「証拠となる言葉を引き出すこと」です。やや堅い表現に聞こえますが、政治やビジネスでは重要な交渉事でよく使われています。本記事では「言質を取る」の正しい意味と使い方をご紹介します。

目次

  1. 言質を取るの意味とは
  2. 言質を取るの使い方
  3. 言質を取るの類語
  4. 言質の意味
  5. 言とは
  6. 質とは

言質を取るの意味とは

言質を取るとは、後で証拠となる約束の言葉を相手から引き出すことです。大事な契約や決定事項の際に、約束事をはっきりと残しておくことは重要ですね。後の交渉をスムーズに進行させるための行為です。現代のように録音機能が発達していなかった時代に、言葉だけの約束も大事な証拠となり、トラブルを防ぐために重要でした。

計算高く、相手を不利な立場に追い込む行為とは違いますが、万が一相手が約束を守らなかったり、言ったことをあとで変えられた場合に備えておくことです。ビジネスでも、より交渉をスムーズに進めるための会話術として、身に付けておきたい技術ですね。

「言質」の正しい読み方は、「げんち」ですが、「げんしつ」「げんしち」と誤読が多かったため、慣用読み(正式な読み方以外でよく用いられる読み方)では「げんしち」でも良いとされています。

言質を取るの使い方

  • 3回めの話しあいで取引先から、発注の言質を取ることが出来た。
  • 政治家から言質を取ることが出来れば大スクープ間違いなしだ。
  • 言質を取られないように、これからの発言には充分注意して下さい。
ビジネスシーンで使う場合はプラスとなり、スムーズな交渉に言質を取ることは必要です。政治家が言質を取られて、失脚することもよくありますね。

しかし、日常会話で「言質を取る」と相手から言われたらドキッとします。親しい間柄で使う時は、人間関係がギクシャクすることがあるので気を付けましょう。

恋人同士の約束で「デートの日時の言質を取った」と使うことはありませんね。相手に懸念を抱いている心境が「言質を取る」には隠されています。信頼関係があれば、約束を守らせるための言葉の人質は必要ないでしょう。

言質を取るの類語

  • 確約をとる:確かな約束をすること
  • 発言を引き出す:相手からはっきりとしたことを聞くこと
  • 証拠を引き出す:事実となる証拠を引き出す
  • 誓約を取る:必ず守る約束をすること
「取る」の部分を、「言質を得る」「言質を引き出す」と言換えることも出来ます。

言質を与えるとの違いとは

「言質を与える」と表現した場合、自分が相手側に証拠となる言葉を発言することを意味します。有利な立場に立ちたい交渉事や、政治家のコメントなどで相手に「言質を与える」と大きなマイナスになりかねません。「言質を取る」とは、真逆の立場となります。

言質の意味

言質は、証拠となる約束の言葉です。類語に「言葉質」があります。「言葉質」とは相手の言った言葉を自分に有利な証拠とすることの意味です。

言とは

言「げん」とは、

  • 物を言うこと
  • 言った言葉
  • 語句・文句
を意味しています。「げん」と読む熟語は、「言語」「失言」「方言」など数多くあります。他に「ごん」「こと」と読みます。

言を使った慣例句

  • 言を左右にする:はっきりしたことを言わない。あいまいな返事をすること
  • 言をかまえる:偽りを言う
  • 言を食む(はむ):前言をひるがえす。約束をやぶる。うそをつくこと
あまり馴染みが無いものですが、慣例句は覚えておくと会話に幅が出ます。

質とは

質は、読み方によって違う意味を持ちます。
「しち・ち」の意味

  • 約束の保証として預け違約のときの償いとするもの
  • 借金の担保として預けておくもの、借金のかた
  • 特に質屋に預ける担保
「質屋」「人質」「質入れ」

「しつ」の意味
  • 生まれながらに備えている性格
  • あるものを形作っている要素を、良否・粗密などその性質の面から見たもの
「質より量」「悪質」「質問」

「たち」の意味
  • 人の性質や体質
  • 物事の性質
「飽きっぽいたち」「風邪をひきやすいたち」「たちの悪い冗談」

また、「気質」は「かたぎ」と読みます。「質」は小学校5年生で習う漢字ですが、それぞれ持つ意味をしっかりと理解しておきたいですね。

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