「破顔一笑」とは？意味や使い方をご紹介

「破顔一笑」(はがんいっしょう)とは、「顔つきを崩して顔全体でニッコリ笑う」という意味です。

「破顔」=「表情を崩して笑う」
「一笑」=「軽く笑う」
という二つの言葉が合わさった言葉です。

「表情を崩して笑う」は、今まで無表情だったり、緊張や不安を浮かべた顔つきだった人が、思わず笑ってしまった状態です。ですので、嘲笑ではなく、嬉しくて思わず出た笑いや微笑ましい状況に顔が綻んだことを表しているのです。

また、「軽く笑う」ので、声を上げて笑ったり、涙が出るほど笑い転げるような笑いではありません。

顔文字で表すなら、このような感じでしょうか。
( ˙_˙ )→(*´∀｀*)

上で書いたように、「破顔一笑」はプラスの出来事で、思わず笑顔になることを意味していますので、次のような使い方をします。
 

• 「採用通知を受け取って破顔一笑した。」
• 「子供が子犬と戯れる様子に破顔一笑した。」
• 「気難しい彼の破顔一笑は珍しい。」

「破顔大笑」(はがんたいしょう)は、「急に顔つきを崩して、腹を抱えるほど大笑いする」ことです。

「破顔」=「表情を崩して笑う」のは同じですが、「破顔一笑」は「表情だけで笑う」のに対して、「破顔大笑」は「体全体で大笑いする」ので、笑いの程度に差があります。

こちらを顔文字で表すなら、こんな感じでしょう。
( ˙_˙ )→ヾ(≧▽≦)ノ

たった一文字違うだけですが、仕草が随分違いますので、間違えないようにしましょう。

「破顔微笑」(はがんみしょう)は、「心に悟るところがあって表情を崩してニッコリと笑う」という意味です。

「微笑」も「声を立てずにニッコリ笑う」ことなので、表情は「破顔一笑」と同じと言えます。「心に伝わる」というニュアンスが含まれていますが、「破顔一笑」と同じように使って良いでしょう。

ですので、顔文字で表すなら、こうなります。
( ˙_˙ )→(*´∀｀*)

また、「心に伝わる」というニュアンスが含まれるのは、「破顔微笑」が、仏教用語の「拈華微笑」に由来する言葉だからです。

「拈華微笑」(ねんげみしょう)は、「言葉に依らず、心から心に伝えること。以心伝心」という意味です。

これは、「お釈迦様が弟子たちの前で、無言で蓮華の花をかざして見せたところ、みんな黙ってしまったが、迦葉だけはその真意を悟って微笑んだ」というエピソードから生まれた言葉です。

「一笑に付す」(いっしょうにふす)とは「バカにして相手にしない。笑って取り合わない」という意味です。

顔文字で表すなら、こんな感じです。
ヽ(ﾟ∀｡)ﾉ

「破顔一笑」がポジティブな笑いであるのに対して、「一笑に付す」は嘲って軽んじるという笑いなので絶対に間違えてはいけません。

「呵々大笑」(かかたいしょう/かかだいしょう)とは、「「あははは」と大声を出して笑う」という意味です。

「呵々」は「大声で笑う様」を表しているので、声を出さずに表情だけで笑う「破顔一笑」とは、笑う様子がだいぶ違っています。

顔文字で表すなら、こんな風に笑い声もついた表情になるでしょう。
(^∇^)アハハハ!

「破顔大笑」に近い言葉ですが、「破顔大笑」は体全体で笑うことを表しているのに対して、「呵々大笑」は笑い声にスポットが当たっているので、同じ「大笑い」でも様子が少し違うと言えます。

「破顔一笑」(はがんいっしょう)とは、「破顔」=「表情を崩して笑う」と「一笑」=「ちょっと笑う」が合わさった言葉で「顔つきを崩して顔全体でニッコリ笑う」という意味です。

字で書くと似ている言葉ですが、「破顔大笑」は「急に顔つきを崩して、腹を抱えるほど大笑いする」、「一笑に付す」は「バカにして取り合わない」という意味なので、混同しないようにしましょう。