「大は小を兼ねる」とは?意味や使い方をご紹介

「大は小を兼ねる」。「そちらの大きいほうのお皿を出しておいて、大は小を兼ねるからね。」などのように、普段の生活でも普通に使う言葉ですね。もともと日本にあることわざのようですが、実は中国由来の言葉です。この記事では、「大は小を兼ねる」について解説します。

目次

  1. 「大は小を兼ねる」とは?
  2. 「大は小を兼ねる」の例文
  3. 「大は小を兼ねる」由来
  4. 「大は小を兼ねる」対義語
  5. 「大は小を兼ねる」英語での表現

「大は小を兼ねる」とは?

「大は小を兼ねる」は、「だいはしょうをかねる」と読みます。意味は、「大きいものは小さいものの代わりとしても使うことができる、大きいもののほうが小さいものより幅広く役に立つ」ということです。

「少ない量より多い量のほうが、足りない分を補うことができる」という意味や、「小さいものは大きいものの代わりにはならない」という意味で使われることもあります。

「大は小を叶える(だいはしょうをかなえる)」は、「大は小を兼ねる」の類義語です。

「大は小を兼ねる」の例文

  • 旅行に行くのに、大きいかばんと小さいかばんのどちらにするか迷ったけれど、「大は小を兼ねる」から、大きいかばんにしたよ。
  • 中学校に入学する子どもの制服は、大きいサイズのものを買ったよ。すぐに大きくなるし、「大は小を兼ねる」とも言うからね。
  • 結婚するから、自動車を大きなものに買い替えたよ。家族もそのうち増えるし、「大は小を兼ねる」しね。

「大は小を兼ねる」由来

中国の漢の時代の学者、董仲舒(とうちゅうじょ、紀元前176?~紀元前104?)が、政治や道徳について著した論文集『春秋繁露(しゅんじゅうはんろ)』に、次のような文章があります。
 

「夫已有大者、又兼小者、天下能是之、況人乎」
大人(賢い者)は、小人(愚か者)のふるまいもできる。だから、天下で役に立つのは大人だけである。

「大は小を兼ねる」ということわざは、この記述をもとにしています。

「大は小を兼ねる」対義語

材大なれば用を為し難し

「ざいだいなればようをなしがたし」と読みます。

大きすぎる材木は、加工するとしても持て余してしまい、使いにくい、という意味です。転じて、あまりにも立派すぎる人は世の中には受け入れられにくい、ということを表すこともあります。

杓子は耳掻きにならず

「しゃくしはみみかきにならず」と読みます。

杓子(しゃくし)は、ご飯などをすくうための道具で、しゃもじとも言います。杓子は、耳掻きと形は似ていても大きさが違うので、耳掻きとして使うことはできません。大きいものが必ず小さなものの代わりになるわけではない、という意味のことわざです。

搗き臼で茶漬け

「つきうすでちゃづけ」と読みます。

搗き臼(つきうす)は、餅つきや穀物の脱穀などに使う大きな臼のことです。大きな搗き臼が、小さな茶漬けのお椀の代わりにはならない、大は小を兼ねることはない、という意味です。

長持は弁当箱にならぬ

「ながもちはべんとうばこにならぬ」と読みます。

長持(ながもち)は、江戸時代から明治・大正のころの日本で使われた民具で、衣類や寝具などを入れる木の箱のことです。一般的な大きさは、長さ約174cm、幅と高さが約75cmです。そのような大きなものは弁当箱に使うことはできない、大きすぎても役には立たないということを表します。

「長持枕にならず(ながもちまくらにならず)」ということわざも同じ意味です。

他にも、「大は小を兼ねる」と同じ意味で次のようなことわざもあります。

  • 薪は楊枝にならぬ(たきぎはようじにならぬ)
  • 畳針で着物は縫えぬ(たたみばりできものはぬえぬ)

「大は小を兼ねる」英語での表現

  • The greater serves for the lesser.
  • The greater serves for the smaller.
servesは「~の役に立つ」という意味です。
  • The greater embraces the less.
embraceは「含む、包含する」という意味です。
  • Too big is better than too small.
  • A large thing will serve for a small one.
  • Store is no sore.
storeは「貯蔵しておくこと、保管しておくこと」で、soreは「痛むこと、悲しみの原因」という意味です。日本語に訳すると、「豊富に物があることが、害になることはない」となります。

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